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特徴

2009
Issue 29
Niijima: A Tokyo Surf Safari
By James Galletly

どこまでも透明な海、白い砂浜、人気のない長いビーチにかこまれた島を想像してみ て。青々した木々が、水際まで続いている。だれもここを東京だと思う人はいないよね。だけど新島というそんな島が東京都のはずれにあるんだ。

新島は地図の上では、都心から88海里南にあるほんの小さな点だ。しかし深い森、気さくな人々、海の潮風が、都会から何千マイル離れているかのような錯覚を引き起こす。この島は東京都の管轄下にある伊豆七島の一つなのだ。


新島は週末をすごすのに最高の場所だ。波の質の良さは、サーファーコミュニティーでは有名。僕らの日本人の友達も、話題が新島になると目が輝き、波の良さ、白い砂浜、透き通るような海の色などの話をする。だからガールフレンドのアリシアと僕は一度行ってみることにした。


竹芝桟橋から超高速ジェット船にのってしまえば3時間足らずで新島に着く。夜通し航行する半額料金の大型船もあるが、こちらは夏だけの運航だ。サーフボードの持ち込みは別途1000円。僕らは二つのボードをくくって、一枚分の料金を払ったんだけど、帰りにはばれてしまって正しい料金を払うことになった。

新島に到着するとまず二つのことに気がつく。島がとても静かという事と、海の青い色を背景にこの島がとても緑で青々しているということだ。南には岩でごつごつした島々が浮かび、北には標高432メートルの宮塚山もあったりと、変化に富む景色が広がっている。

埠頭のはじにある、ツーリスト・インフォメーション・オフィスが僕らの宿をとってくれた。職員の人は、夏はもっと早くから予約しないとダメだよと、アドバ イスをしてくれた。民宿のおかみさんは、かたこと交じりの英語で部屋を案内してくれ、以前に泊まったトッププロサーファーのアンディ・アイアンズの写真を 自慢げに見せてくれた。もし無料キャンプ場を利用するなら、キャンプ場から公共の温泉までは歩くと一時間ほどかかるため、貸し自転車をオススメしたい。

僕らはサーフボードを抱え、メインサーフスポットの羽伏浦海岸まで自転車でいった。青い海と、弓のようにカーブした白い砂浜に着くと、ブレイクしている波が目に入った。波のサイズは腰ぐらいで風はオフショア。しかも海の中には誰もいなかった。絵葉書にあるようなきれいなビーチは、厳密に言えば東京だ。そして海には誰もいない。信じられない! 僕らが海に入ると、他の人たちもやってきた。でも問題ない。むしろ少しは仲間がいたほうがいいのだから。

シンプルなよろこび
サーフィンでの疲れを癒すなら湯の浜温泉へ行こう。温泉に着くと、日本語、英語、スペイン語で、ウエットスーツを脱いでからお湯に入るようにと書いてあった。残念、温泉のなかでウェットスーツをゆっくり脱ぐとき、じわじわ暖かいお湯がスーツの中に入ってくるのが好きなのに。でも大海原を目の前にする、こんなロケーションで温泉を味わえるのは最高だ。


湯の浜温泉は人工と自然がちょうどよくミックスされた温泉だ。崖に吹く風や緑の丘や近くの島に日が沈むのを眺めながら湯につかり、古代ギリシャ風の建物で、さまざまな温度の湯を楽しむことがでいる。心まで温まったあと、またペダルをこいで帰りながら、島が与えてくれるシンプルなよろこびに感謝した。

アイランド・パーフェクション
その夜、南東から嵐がきた。羽伏浦もさぞ荒れることだろうとおもったが、うまくまぬがれた。朝には風によってサイズアップした波が割れていた。そして時にはチューブも見られた。羽伏浦の波は速く、岸に近いところでブレイクする。こういう波はあまり好きじゃないけど、誰もいないところでサーフィンできるのを見逃すなんてできなかった。人間 vs 海、今回は海の勝ち。



の北は比較的人が少ないので、ハイキングや静かな場所に行きたいならオススメだ。そこはレギュラーのポイントブレイクが有名な淡井浦のあるところだ。ポイントブレイクはロングライドが可能で、たいがい簡単にパドルアウトすることができる。しかしここで問題が発生。淡井浦にいくトンネルは自転車の通行が禁止だった。

長いトンネルで、歩いたり、自転車にのると酸欠を起す可能性や、排気ガスを吸うというのだ。バスが一日3便通っているが、サーフボードを乗せてはいけない というわけで、タクシーかヒッチハイクをするしかない。タクシーを待っていると、親切な人が羽伏浦の北のはじまで連れていってくれて、その日一日、僕らに 付き合ってくれることになった。僕らは3人で出かけ、ピールするようにくずれる波を存分に楽しんだ。

その後、彼と別れたものの、その彼は猛スピードを出したトラックで僕らに追いついてきた。一体どうしたんだろうと、僕らも自転車をとめた。彼は自動販売機 で買った飲み物を僕らにくれ、夜一緒にカラオケにいかないかと誘ってくれた。なんていい人なんだ。このような思いがけない親切を、新島では何度も体験し た。


次の日も波は良くなかったが、誰もいない羽伏浦でサーフした。午後はもっと波が小さくなったので、風と海に浸食された崖の辺 りを散策することにした。

途中で「シークレット」と名づけられたサーフポイントを通った。その名前にしては堂々とサーフマップにも乗っているし、看板まで出ているから不思議だ。シークレットはその地形から、波がありそうなスポットなので、今日のような天候の日にはトライする価値がある。もっと歩くと地内島を見ることができるし、何より人が誰もいないのでまるでプライベートビーチのようだ。

地元の人々

いつ温泉にいっても、常連の人が世間話をしていたのがおもしろかった。何を言っているのかもちろんわからなかったけど、見ていればわかる。それは温泉がコミュニケーションの中心だった昔の日本を思い出させる光景だった。サーフィンと同じぐらいこの島の人々の親切さは忘れられない。あちこち自転車でいくと、よく声をかけてもらったり、夕食にも招いてもらった。ほんとうに信じられない。

ある時、港の近くにある古ぼけたお土産屋の店主がニコニコして僕らに手招きをしてきた。売り込みかと思えたが、彼は商売気はあまりないらしく、ただ僕らと一緒に食事をしたかったらしい。店の裏には鍋一杯のうどんと豚肉がぐつぐつ煮えていた。グリルで新島名物のくさやをあぶってくれ、まだ午前10時なのに、ビールもすすめてくれた。そして僕らが結構ですと断ると、彼はどうしてというような顔をした。後にキャンプ場であったオーストラリア人カップルも、同じような体験をあの店主としたらしい。

最終日、羽伏浦の波は小さかったので、シークレットにいってみた。僕らは空港にいく道と海岸の中間にシークレットにいく近道の階段を見つけた。波をチェッ クしていると、地元の農家の人が車をわざわざとめて、僕らに朝ごはんをわけてくれた。どう見てもそれは、その人のお昼ご飯のようだったから断ったけど、彼 は家に帰ればまだたくさんあるからと、「じゃあまた」とだけ言い残し去っていった。

新島ではいろいろなスウェルや風のコンビネーションがあるので、チェックするとおもしろいと思う。台風のシーズンには大きな波が期待できるが、フェリーの 運航は見合わせるから注意が必要だ。僕らは比較的すいているシーズンにいってラッキーだったが、夏はフェリーは満員、混雑したキャンプサイトの写真も見た のでほんとうに混むのだろう。でも少し歩いたり、自転車で混んでいるエリアから離れればすいているところがきっとある。
 

NIIJIMA ESSENTIALS

NIIJIMA FACTS
Area: 27.77 square kilometers
Population: 2,500 (April, 2008)
Distance from Tokyo: 163 kilometers
Official Website:www.niijima.com

GETTING THERE
By Sea: 2 hours, 50 minutes (high-speed boat) or 10 hours, 35 minutes (large passenger ferry) from Takeshiba, Tokyo.
Web: www.tokaikisen.co.jp (Japanese only).
By Air: 35 minutes from Chofu Airport, Tokyo. (New Central Air Service)

ACCOMMODATIONS
Niijima has one hotel, a few ryokan and more than 200 minshuku.  Most minshuku offer a good deal with breakfast and dinner included. Call the Tourist Information Center for reservations. Tel: (04992) 5-0048.

SURF FORECASTS

Magic Seaweed: www.magicseaweed.com
Wavehunters: www.wavehuntersjapan.com
Beach Combing Magazine: www.bcm-surfpatrol.com