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特徴

2010
35 号
国道338号沿いに波を求めて
By Paul Vanderheiden

 国道338号は本州の最北端、青森県の北東側の海岸線を入り組むように走っている。三沢から六ヶ所村を抜け、さらに北へと続くその海岸線には、砂浜のビーチとそれを守る防波堤によってシェイプされた素晴らしい波が押し寄せ、ローカルサーファーたちの心を踊らせている。ここでは地元の農家や消防士、学校の先生までもが波を求めて凍てつく海に入る。これこそが東北スタイル。今回は北国サーフの現実にせまる。
 
国道338号沿いには無数の河口やサンドバーがあり、ローカル達は各々のポイントを、そこが何番目の河口なのかによって数字で呼んでいる。人気ポイントの一つは『4.5』と呼ばれ、もちろん4番目と5番目の河口の間に位置している。これはローカルだけが知っている秘密であり、彼らだけの共通言語である。 
 
もしこの地で波に乗るのであれば、ポイントを熟知したローカルと一緒に行くことをおすすめする。サンドバーは常に形を変えるので、常にいい波をゲットするには周りの様子を注意深く見守っていなければならないからだ。潮の満ち干きやスウェル、その日の風向きによって、ある場所では両側にきれいに割れるAフレームがブレイクしていても、他では横一線に一気に崩れるダンパーな波だったりする。
 
ほとんどのポイントではオーバーヘッドより少し大きくなると乗れない波になってしまうが、 三沢漁港に一カ所だけ、ダブルオーバーヘッド以上でもきれいにブレイクするポイントがある。ここのレフトは台風の時期がおすすめだ。 漁港より北に行けば、舗装されていない道を抜けていくつかの桟橋ポイントにアクセスすることもできる。
 
週末になるとローカル達はその日の一番いいサンドバーに集まる。世間話に花を咲かせては、のんびりとした時間をすごしている。いつも波があるから、慌てて海に入る必要がないのだろう。実際、人が多い時期でも海に入るのはせいぜい2〜30人くらいだし、普通の週末であれば多くて10〜15人ほどだ。もし平日にここに来ることができるなら、波を独り占めできるだろう。
 

国道338号沿いにはまったく印の無いポイントや名前すらついていないポイントがいくつもあるので、道沿いに河口を見つけたら車を止めて海に入ってみるのもいい。サーフィンの醍醐味はいい波に乗るだけではなく、そこにたどり着くまでの冒険や、その時間を仲間と共有することでもあり、もしかしたら素晴らしい波に出会えるかもしれない。 時間がない時や、あまり冒険したくない日はそのまま北へ六ヶ所村をめざすといい。
 
六ヶ所村には南に新納屋(しんなや)、北に尾駮(おぶち)とメインポイントが二つある。漁港の近くにあり、長い砂浜を持つ新納屋には、サンドバーが織りなす美しい波を求めてはるばる青森市からサーファーたちがやってくる。新納屋のコンディションが良くない日には、 風の影響を受けにくく、防波堤に守られた尾駮に波を見つけることができるはずだ。  
 
良さそうな波が見えたら、まだ入ったことのないポイントでも恐れずパドルするなり、雪が降りしきる厳冬期でも波を追いかけるなり、それなりの情熱を持っていないと、この北国ではサーフィンできない。それでもサーファーたちは国道338号沿いに波を求めて車を走らせるのだ。僕の故郷、カリフォルニアのエルモサビーチからはるか離れた日本の北国で僕を受け入れてくれたこの地域の人たち、そしてエージさんに心から感謝したいと思う。
 
LOCAL TIPS
ローカリズム:どんなポイントでも、そこを愛するローカルがいるということを忘れず、その地の雰囲気やリズムを大切にすればトラブルの心配はない。大人数でパドルアウトしたり、前乗りするというようなことはしないように。
ウェットスーツ:冬場はドライスーツ、夏から秋にかけては4×3か3×2ミリのウェットスーツ着用をおすすめする。
338 Surf Shop: Tel: (0176) 51-5331, Web: www.338surf.com, Facebook: www.facebook.com/pages/338SURF-Misawa/124148084273850