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特徴

2008
Issue 24
Gankoyama Tree House Village
By Irwin Wong

電気なし、木の上の生活
ガンコ山」を一言で表現するのはむずかしい。
ガンコ山」はコミュニティーであり、試験的プロジェクトであり、休暇 村である。定義だけが決まっていないだけでなく、すべてにおいて未知なのだ。というのは、ガンコ山は国内初の、そして唯一のツリーハウス村なのだから。

1998 年、平賀義規さんが始めたガンコ山。別名マスターと呼ばれる彼が、そのなりたちについて説明する。

「子供の頃、山に秘密基地をつくって、 そこでよく遊んだ。その頃のことを思い出しつくったのが、ガンコ山なんです」

ガンコ山は千葉県房総の山の中に立てられている。遊び目的ではじめられたものの、すぐに自給自足に挑戦するエコ実験の秘密基地へと進化していった。マス ターと彼の仲間は、再利用可能な資源を使い、ガンコ山がどれだけ自給自足生活可能か試みた。そして、電気システムを利用することのない運営に成功した。

配管、電気配線、ガス管などは一切なし。すべてはソーラーパワー、風力でまかなわれ、水は天然水。薪割りをして、食事はすべてキャンプファイヤーでの調 理。深い森のなかで、自然エネルギーの恵みを感じ、その恩恵を受けるといった具合だ。

今ではガンコ山は「ウエルカムセンター」とレクレー ションホールとして使われるメインハウス、11軒のゲストハウスがあるほどに成長した。まだ建設中の建物もある。ツリーハウスは、地元の大工さんから木材 を調達し、マスター自らが建てるという。

「日本の伝統的な技法で、釘は一切使わない」
木と木が組み合わされるように、切ってある のを見せる。
「建てる時と同じように、取り壊しも簡単なんです」

各ツリーハウスは清潔で、大人3人が快適に過ごせる。2層になっているメインハウスは、教室にもなる広さだ。レンタルで寝袋や毛布もある が、自分で持っていくことをすすめる。
ガンコ山は、夏が一番のピーク。

「家族連れや、林間学校の生徒などが多くやってくる。以前は環境問題に興味のある人が多かったんですが、今はいろいろな人が訪れるようになりました」
と平賀さんは話す。都会から来た人々が、地球が抱える問題や、日本の自然の美しさに、意識を高める機会を与える ことができれば嬉しいという。

ツリーハウスづくり体験
ガンコ山は家族やグループ向けにいくつかのコースを用意しているが、その中でも面白そうなのがツリーハウスづくり体験だ。平賀さんを始め、インストラクターがエコ・フレンドリーで、丈夫な家を建てるノウハウを伝授してくれる。
「日曜大工の経験がなくても大丈夫。必要なテクニックは教えます。森にある資源を使って、自然と共生することもね
このコースは2日間で、10人までが参加できる。

建てたツリーハウスはどうなるのだろう? 短期間で作ったツリーハウスは水漏れがした り、蚊がはいってくる。そのため、取り壊して、材料は再利用する。汗と努力の形は残らないもの、「それがガンコ山の自然サイクル」と、平賀さんは言う。

ツリーハウス以外に、男の子たちが興味を示しそうな、矢と弓つくりのコースもある。50mも飛ぶ、竹製の矢を完成させると、平賀さんは冗 談ぽく「射ち合いっ子しようか?」と言う。

こんな、平賀さんの少年っぽさ、冒険好きが、ガンコ山を訪れる人たちに、たちまち伝染する。アウトドアに対する情熱がみなに伝わる

ア スレチックなビジターには、ハイキング、マウンテンバイク・トレイルもある。日陰で読書したくなったら、森の中のハンモック。手づくり家具を土産に持って 帰りたいなら、クラフト教室もある。ピザを生地からつくる、ピザ焼き体験もできる。千葉の森で、忘れられない週末をガンコ山で過ごそう。

GETTING THERE
電車/東京から:
特急さざなみで岩井駅へ。または、京葉線で蘇我駅へ。内房線に乗り換え岩井駅へ。岩井駅で、平賀氏が出迎えてくれる。
車:アクアラインと館山自動車道を使えば、東京から一時間半~2時間ほど。館山道を鋸南富山インターチェンジでおり、ハイウェイオアシス富良里の方向へいく。富良里のジャンクションで左折し、国道89号線に入る。20分ほど、国道410号方面に向かって走る。国道410の手前に、朝倉商店という店が左手にある。その店の隣の道を5分ほどいくとガンコ山だ。