>  屋外日本雑誌  >  Issue 26 : 1月/2月 2009  > 特徴 >  Surf the Snow

特徴

2009
Issue 26
Surf the Snow
By Eva Soroken and Angie Takanami

雪の中をサーフするのは何も新しいことじゃないけれど、サーフライド専用パークの登場で、サーフスタイルのスノーボーディングが今熱い注目を浴びている。あなたもサーフライドの世界をのぞいてみてはどうかな? このトレンドは過激なスノーボードよりも、雪山でサーフライクな滑りを楽しみたいという人が増えたことによる。そう、サーフライドは、楽しく、安全で、テンションだけは若いつもりの年齢の人でも楽しめるスポーツなのだ。

プロのボーダーとして10年以上活躍している、パークデザイナーの田中ICHIGO総一郎が、2004年にサーフ・ライドカルチャーをクプロデュースさせた。

「ことの始まりは、普通のスノーボーダー達がスノーボードを楽しむのに限界がではじめたことだ」とICHIGOは言う。「DVDでみるスノーボードのイ メージは、ほとんどと言っていいほどバックカントリーで、崖からジャンプしたり、レールをしているか、ハーフパイプで高回転のスピントリックを行ってい る。」

DVDにはすばらしいテクニックがいっぱいあるが、アメリカのオリッピック代表スノーボーダー、ダニー・カスで有名になった「カス・ロール」などができる スノーボーダーは、国内ではほんの一握りでしかないのが現実だ。素質と練習なくしてこれらのテクニックは習得できない。それでもリゾートにいけば目にする のはハイレベルのパークばかりで、楽しみを見いだせずに他のスポーツへ転向する人も少なくない。

 

「それともう一つの問題はスノーボーダー 人口の高齢化だ。お年寄りがスキーをするのはよくみかけるけど、最近は歳をとったスノーボーダーもみかけるようになってきた。僕の親父も初心者用コースで 一人で滑ってる。若い人に混じってレンタルボードで練習する姿には頭が下がる」

ICHIGOによると、スノーボードはエクストリーム・スポーツ化しており、「スノーボードが日本に上陸した当時に活躍していたプロボー ダーは、15年という月日を経た今、危険なスタントなどはできなくなっている」と言う。

今日まで、スノーボードと言えば、ハーフパイプ、ビッグエアーそしてバックカントリーだったが、サーフライドは スノーボードをもっとリラックスした、安全な環境で楽しむスポーツへと変えつつある。ICHIGOは国内の二つのリゾートとコラボし、それぞれのテレイン を生かしてサーフライドパークを展開させた。このパークならライダーは自分のライドを安全に表現することができる。パークに利用料などなく、スキーヤーや スノーボーダーなら誰でも遊ぶことができるのだ。

群馬県の川場スキーリゾートのサーフライドパークは3年まえにオープンした。その次に彼が手がけた岐阜県のダイナランドは今シーズンで2年目を迎える。川 場のパークはトレイルと同じ長さという大きさ。スノーボーダー達は、自由に壁を使ったり、ボウルを使って楽しめる。

ダイナランドのパークはハーフパイプの形をしているものの、壁は低く幅も狭く設定してある。パイプの配置ももっ と遊び心のあるものとなっている。ターンごとに壁を上ったり下がったりする普通のパイプのライディングとは違い、壁を続けて滑ってもいい。真ん中のセク ションには飛ぶことも、飛ばずにそのまま滑っていくこともできる台が設けてある。この両脇の壁もスラッシュしたりできる。

寒い季節をハワイやオ-ストラリアなどで過ごすサ-ファ-達も、このパークでサーフィンを楽しむことが可能だ。 プロサ-ファ-の真木勇人も、2008年初旬、川場のサーフライドパークを体験してファンになった。

「サーフィンしているように、めちゃ くちゃ楽しい」と勇人は言う。「普通のスノーボードパークは、クォーターパイプ、スティープなハーフパイプ、レールなんかがあって、サーフィンのテクニッ クをいかすことはできないからね

サーフ・スノーボーダーは、自然の雪の壁で、サーフスタイルのカーブを決めたり、海でスプレーをあげる ように雪を散らしてターンをするなど、新しいゲレンデの楽しみ方を見つけたようだ。サーファーにとって、普通のパークはいつも怪我のリスクがあるのであま り魅力がない。しかしサーフライドパークなら、波の長い壁のように、トップまでスラッシュ、カービング、またはラインを描いてクルーズしたりと、サーフテ クニックをいかすことができる。

「壁は波にみえる。このパークなら誰でも簡単にライドできる。これからもっと多くのサーファーがこのパー クを訪れると思う。だって本当に面白いんだもの」と勇人は改めて振り返る。

波をそして雪をサーフしよう。どちらも自己表現で、自然の中で 楽しむ行為だ。サーフライドは無理強いすることなく、ただ雪とあそび、自分のペースで自由気ままに滑ることができる。さあ、レベルを問わずに誰もがたのし める雪山のパークで波のりを楽しもう。