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特徴

2009
Issue 29
ウルトラランナー
By Pauline Kitamura

「私、速く走るのが本当苦手なんです。私にはしんどすぎます!」―鈴木博子

事実、鈴木博子より速く走れるランナーは数多くいる。しかし彼女は19回ものウルトラマラソンの参加経験がある。男女を問わず、彼女ほど長く苦しいマラソ ンを走れる人は多くいない。彼女がもっとも最近参加したウルトラは、カリフォルニアでおこなわれたビショップ・ハイ・シエラ・100Kウルトラ・マラソ ン・トレイル・レース(http://bhs50.com)で、結果はウーマン100Kのカテゴリーで1位と言う成績。みごとなものだ。100キロといえ ば普通の人には想像を超える長さ。何が彼女を走り続けさせているのだろうか?

Trail Runner Profile
Name: Hiroko Suzuki (鈴木博子)
Age: 32 32歳
Sponsors:  バスク、モンベル
経歴:ベルモント、リードヴィル、ケテル・モーレイン、ホワイトリバー、ビッグホーン、ゼーン・ゲーリー、アイスエイジなどの米国西部のレースや国内の長谷川カップエンデュランス・レースなどの19ものウルトラマラソン(50+km)を完走。
お気に入りに場所:カナディアン・ロッキーと、八ヶ岳縦走トレイル
他の趣味: お芝居見学、旅行、読書、ハイキング  
秘密兵器: 自然からエネルギーをもらうこと

INTERVIEW

トレイルランニングをはじめてどのぐらい? きっかけは?
走りはじめて6年になります。友人が24時間以内に72キロ走る「ハセツネ」という信じられないレースのことを教えてくれ、面白そうだったから申し込んだのがきっかけです。もう5年前で、完走するのに15時間10分もかかったけど、それ以来とりこになりました。

去年もハセツネに参加されましたけど、結果はどうでした?

9 時間57分で、5位でした。

72キロという長さでは満足できないと聞きましたが、長いレースのほうが好きなのですか?

はい、100キロのウルトラを走るのが一番好きです。私は速いランナーではなく、長い距離を同じぺースで走るのが好きなのです。早く走るの本当に苦手なんですよ。短距離のレースは比較的早いペースでレースが展開されますけど、長いレースだと時間もエネルギーの余裕もあるので、トレイルや周りの自然を楽しみながら走れるんです。

どのようなトレーニングを、ウルトラ・ディスタンス・トレイル・レースに出るためにするんですか?
典型的なトレーニングというものはありません。時間があるときに山に出かけて走るくらいです。だいたい週2~3回、 3時間から8時時間走ります。トレーニングというより、ただ自分が一番好きなことをしているという感じです。

何回もアメリカでのレースに出ていますが、海外でレースをするのはなぜですか?
旅が好きなんです。初めての街で、新しいことを学ぶのはとても面白いです。そしていろいろな人と出会えますから。レースは私を海外に行く機会をくれるだけでなく、新しくおとずれた土地で、自分の大好きなことをさせてくれるのです。

国内のトレイルと比べて、アメリカのトレイルはどうですか。

アメリカでは、すべて山の頂上に上らなくても横断できるようにトレイルが作られています。山が目の前に立つ日本のトレイルと比べると、もっと多く「走る」ことができるんです。それに比べて国内のトレイルはもっと急で、テクニカルだと思います。

ゴールは何でしょう?

今年の目標は完走するということ。8月の終わりにヨーロッパでノースフェイス・ウルトラ・トレイル・ド・モンブラン(166km)が開催されます。この大会に出るのは初めてなので、どんな結果になるかわかりませんが、目標はフィニッシュラインにたどり着くことです。

このレースのための特別なトレーニングはしているんですか?

いいえ、いつもと同じように(笑)、自分の楽しみのために週2~3回山を走るぐらいです。

どうして山を走るのが好きなんですか?

山を走っていると、たとえトレイルがきつく、体力的に大変でも、なぜか「痛み」を感じないんです。周りの自然、山、人々からエネルギーをもらっていて、自分にエネルギーが一杯あるように感じるんです。このエネルギーが私を走り続けさせるのです。


Trail Moments
最高の瞬間
トレイルで一番ハッピーと感じた瞬間: 山にいるすべての時間。

最悪だったこと: 
3年くらい前、高地として有名なリードヴィル100のレースに参加したとき高山病になってしまって、担架にのせてもらい、山からおりたこと。