>  屋外日本雑誌  >  Issue 29 : 7月/8月 2009  > 特徴 >  The Hokkaido Bush Pig Meets the Australian Horse Warrior

特徴

2009
Issue 29
The Hokkaido Bush Pig Meets the Australian Horse Warrior
By The Hokkaido Bush Pig

北海道の多くの人と同様、グレゴリー・スチュアートもスノーボード、テレマークスキー、クロスカントリー、ハイキング、パラグライディングそしてアイスク ライミングなどなんでもこなすスポーツマン。2005年いらい北海道の士幌に住み英語の教師をしている。彼とは数年の付き合いだがつい最近彼が馬に乗りな がら矢を射る日本の伝統的な流鏑馬をやっていることを知った。もっと驚いたのは、初めて一年という早さで国内の流鏑馬チャンピオンになったということだ。 早速彼にあって、話をきいてみた。

First off, what is yabusume and how did you get into it?
流鏑馬とはなに、そしてはじめたきっかけは?

子供のころから武道に興味があり、柔道、クン・フーそして合気道を少し若いときにやっていた。北海道で弓道を数年もうやっていたので、流鏑馬には漠然とし た興味はあった。芽室の近くで流鏑馬大会があると聞きせっかくだからみてみたく、日本語の先生に相談してみた。偶然にも僕の先生はその大会の世話役の川原 ひろゆきさんの知り合いで、川原さんに見学させてもらえるかたずねてくれたんだ。そうしたら、なんと川原さんはいきなり、僕に参加して見ないかといってく れたんだ。

その時ちょうどアイスクライミングで肩を痛めていて、大会は4週間後だったし正直、無理だとおもった。でも友達のアダム・クックにその話をすると、彼も興 味があったので、馬場にいってみることにした。実際手にとると、流鏑馬の弓は弓道のものに比べとても軽く、肩への負担があまりなかったのですっかり気をよ くして、やってみることにした。

馬に乗ったことが全く無かったので、流鏑馬をやるにあたって乗馬の部分は不安だった。だが段階を追って少しずつ慣れていけば4週目にはなんとかギャロップ するまでになるだろうと思った。でも川原さんはそんなことを僕らにさせなかった。彼は僕たちを馬場に一列に並ばせ、馬は手綱を下ろせば走りだす。くれぐれ も馬から落ちないようにとだけ言った。やっと数回ギャロップできるようにになったら、彼は僕らに弓をわたし、的に当てるようにといった。僕の最初の弓矢は まったく方向ちがいで、森の中へと消えていった、、、まあこんなふうにすべは始まったんだ。

Did it help being thrown in the deep end like that?
こういうふうなスパルタ式のスタイルは結局よかった?


どんな事も、ベストをつくすのが唯一の方法だと思う、だから僕にとってはよかったよ。

How did that first tournament go?
最初の大会はどうだった?


あまりよくなかった。だけど落馬しなかっただけでも、喜ばなくちゃいけないし、そしてすべての矢を射ることもできた。流鏑馬の難しさの一つが、すべての矢 をいることなんだ。すばやく帯から矢を取り出し、糸に掛け弓を大きく引き討つ。これをフルスピードをだす馬にのりながら、バランスをとりながら立ってやる んだ。最初の的をとおりすぎてしまい、3本討つべきところ2本だけ討つなんていうことは日常茶飯事。アダムと僕は馬にのったまま、矢を弓にかける練習をよ くしたもんだ、のちにこれはすごく役に立ったよ。

流鏑馬のもう一つの難しさは、弓を正確に射るため、馬の上下する振動をすべて足で吸収し、上半身を安定させることだ。上半身がぐらぐらでは、ちゃんと狙い うちすることはできないからね。その点、アダムは僕より技術もたかく、乗馬の経験もあったので、大会でとてもいい結果をだした。彼は二位の同点決勝まで いった、健闘したけど相手が彼よりも少しだけうまかったので三位に終わった。

弓を討つ距離はとても短いので、流鏑馬で最も重要なのは乗馬の技術だと思う。その日優勝した人は女性で、すばらしい乗馬技術をもっていた。他にも若くてか わいい女子高校生も参加していた。あどけない彼女らは驚きの乗馬テクニックをみせた。彼女たちが、弓を上達すれば、もう僕らの出番はないほどだ。

Where did you place in that first tournament?
その最初の大会では何位だったの?

よく覚えていないけど、かなり下のほうにランクされていたと思う。函館でおこなわれた大会でも同じような結果だった。出場前一回だけ乗った、他の牧場から 借りてきた馬で出場したので、馬の走りをよく熟知していなかった。また馬は遅れて到着し、ウォームアップも十分できなかった。だから弓打ちはめちゃくちゃ だった。でも港の近くの島で大会は行われて、楽しかった思い出がある。

Fast forward and a year later you are the Japan Champion…!
話をそれから一年後、ジャパンチャンピオンになったところに進めて、、、!


流鏑馬全国大会は毎年場所を変えて行われる。そして地方大会も同じ日に行われるんだ。その年は恵庭で行われ、川原さんは馬を牧場から運んできてくれた。で もその中に僕がずっと乗っていた馬は入っていなかった。というのは大会の前の週末、その馬は乗っていた川原さんをふり落とし、それでなくでも言うことをき かないのでおいてきたらしい。僕も一回落とされてあまり気に入った馬じゃなかったからよかった。

流鏑馬全国大会と恵庭流鏑馬大会はその日開催された。なぜかすべての馬の走りがおもわしくなく、皆の出す点も振るわなかった。終盤になって、なんと僕と東 京から参加している居合道の先生が同点となっていた。同点決勝をするのかと思っていたら、僕のほうが数秒差で速かったということで審判員が僕を勝ちを決め た。皆もおどろいていたが、僕自身が一番その結果に驚いた!

審判員の一人が、表彰式が終わったらうらやむ皆に痛い目にあわされるかもよと、冗談をいっていた。大会にでる楽しみは毎回ほとんど顔ぶれが一緒で、知り合 いになれるということ。参加者はみんないい人達で、来年もまた会うのを楽しみだ。

How does it feel to be the first international champion?
初めて外国人チャンピオンになった気持ちは?


実は、全国大会には優勝したけど、同時に行われた恵庭大会は優勝しなかったんだ。どういう計算だか、北広島から参加したした人が勝ったんだ。だから僕の優 勝にどれだけの信憑せいがあるのか。それに全国大会優勝のタイトルはもっているけど、東京より西ではこんなチャンピオンシップがあることなんか皆知らない んじゃないかな。

西日本では、流鏑馬はデモンストレーションや神事として行われているのが主で、大会などないと思う。もし鎌倉の武田流流鏑馬の人が大会に参加したら、僕ら はぜんぜん太刀打ちできない。普通の人は流鏑馬と言えば、例大祭など神社や寺を想像するが、決してスポーツとして思い浮かばないだろう。個人的には、大会 がもっと盛んになり、全国の人、いや海外からも参加するようになればいいと思う。韓国やモンゴルにも流鏑馬に似たような競技がある。アメリカにもインディ アンが弓を持って戦う競技があると思うし、中東でも多くの騎馬弓兵が存在した。さまざまな違うスタイルで競ってみるのも面白いかも。

What about the outfits you wear? I hear yours is unique.
どんな衣装を着るの?グレゴリーのものはちょっと変わってると聞いたけど。


みなの素晴らしいな衣装を見るのも、僕が流鏑馬をすきな理由の一つなんだ。その豪華さは半端じゃないんだ。例の女子高校生は数種類の着物を持っているし、 あの優勝した芽室の大野ともこさんは毎回違う衣装で参加する。本当に艶やかできれい。青森の女性の衣装は中国やモンゴルの影響を受けたかのようにカラフル だ。でも日本人から日本のものだと教えてくれた。女の人の中には、弓と衣装の色をコーディネートする人までいるから、まいっちゃう。

男性でもっとも関心した衣装は東京からきた居合道の人だ、ディアスキンのレギング、熊の毛皮の刀入れ、上品な着物。僕もいい衣装をまといたいのはやまやま だが、安月給の教師の身だから衣装は弓道のユニフォームを自分でリフォームするんだ。だけど、矢を射るほうの腕につけるジャケットは、前にサザンクロス・ フェデレーションスター、後ろにユニオンジャックのついたものを母親が作ってくれた。ちょっと伝統的とは言いがたいけど、とても気に入っている。それに弓 道の先生がつくってくれた、オーストラリアの国旗のついた鉢巻もしめてでる。

And the horses…
そして馬について語る、、、

馬も乗り手と同じぐらいの注目を浴びとても重要。競技者のほとんどが伝統的な木製の和鞍を使う。これは悪魔が発明したにちがいない。騎手はサドルの前と後 ろにある木製の高い山の間に座る(西洋サドルのサドルホーンに似ているが、居心地はとても悪い)。僕の足は長すぎて、前の山は足に食い込み、バランスを 失って座るたびに後ろの山にお尻があたり、尾骶骨を何度も痛め、歩くのも座るのもやっとという経験をした。ほかの競技者に、居心地いい西洋式サドルを使っ ている人がいる。僕はこれはルール違反だと思う。なぜなら、彼がうらやましいから。

Would you like introduce the sport back in Australia someday?
このスポーツをオーストラリアに何時か広めたい?


もちろん。そのつもりだ。シドニーに流鏑馬をやったことがある人が二人いるらしい。帰ったら彼らにあって学校かなにか始めたい。そして選手をつれて日本に 戻って来たい。でもまだ日本にいたいから、いつ実現するかわからないけど。


What was the reaction from the yabusume community in Hokkaido after you won?
優勝後、北海道の流鏑馬コミュニティーに変化は?


これといった変化はないね。大会いらいほとんどの人にあっていないし、何かしゃべっていたとしても僕の日本語のレベルだと理解できないから。でもありがた いことに、流鏑馬を始めていら、皆ぼくにとても親切にしてくれる。外国人が日本伝統武術に興味をもち、一生懸命トレーニングしていることを、うれしく思っ ているように感じる。それは僕が流鏑馬に敬意をもっている証拠であり、彼らはそれを快く受け止めているのだろう。僕の住んでいる町の人も、みんな僕の優勝 を喜んでくれたよ。

残念ながら、一般の人は流鏑馬に興味をもっている人は少ない。みんな流鏑馬を一回も観たことがないし、やったことがある人にいたっては皆無だ。僕はチャン スがあるなら、なんでも一回は挑戦してみたいから、とても不思議だ。