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特徴

2005
Issue 1
The Painted Desert
By シャーロット・アンダーソン & ゴラーズ・ヴィルハー

ジャイプールから北向きに細長い道をたどって4時間、シェーカヴァティーの砂漠を横切った向こうには、フレスコ画の屋敷が目の前に広がっていた。マハラ ジャの歴史ロマンスと、その独特な文化の虜になった数多くの旅行者が砂漠の地“ラジャスタン”を訪れ、首都ジャイプールで数日を過ごす。

今では辺ぴなシェーカヴァティーも、かつては南のシルクロードに位置していたことから、貿易商人は裕福で・り、仕事で家を不在にすることが多かった。その ため彼らの多くは、家族のために巨大な屋敷を建てている。そして、殺伐とした景色が続く砂漠地帯に住んでいるため、生活のなかに美しい彩色をほどこす興味 深い習慣が・る。そのペイント技法は、イタリアのフレスコ法と類似しており、そこにはシェーカヴァティーに住む上流クラスの人々の生活が描かれている。

19世紀、イギリスがインドの商業を支配。シェーカヴァティーの商人は家族をヘヴェリに残して引越をしてしまったため、かつて鮮やかに彩られていた街は徐 々に衰えていった。イギリス植民地の影響は壁画にも見られ、噂や想像で描かれた電車や飛行機、電話の絵は、今まで実物を見たことがないものたちを大いに楽 しませたことだろう。

しかし、商人たちの家族もまた、ほかの街へと引っ越してしまったいま。強く照りつける紫外線と、風と砂が建物をさらにむしばみ、季節が変わるたびに描かれ た壁画は姿を消していく……。