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特徴

2005
Issue 1
Kintaro Walks Japan
By Tyler MacNiven

父親が生まれた故郷を捜し求め、わたしは桜の花が舞う「日出ずる国」、日本へとやってきた。そして、父の生まれた場所についての手がかりとなる古ぼけたス ケッチブックを手に、3000kmにおよぶ行程を、4ヶ月以上にわたり歩きつづけた。そしていつしか、旅の途中で出会った人々に「金太郎」と名づけられの だった。

わたしが知っていたのは父は北海道のどこかで生まれた、ということだけで・った。父の両親は、父が生まれたとき北の島で宣教師をしており、その後アメリカ に戻ると、まもなく他界した。ただひとつの手がかり、祖母が残したスケッチ(そこに描かれていたのは、当時彼らが住んでいた場所近くの海岸風景だった) を、残して。 北海道に到着したとき、なんと、その場所に見覚えが・るという人に出会った。このスケッチに描かれているのは、色丹半島沿岸沖に・る「ロー ソク岩」だとわかった。自分が立っている場所から、たったの160kmほどしか離れていない場所に、その岩が・る! という。

海は深い青につつまれ、白いしぶきを空気中に放つ、どんよりした日。わたしの前に、とうとう、その「ローソク岩」の光景が現れた。その岩は、荒れ狂う水面 から20mくらい突きだしており、思わず、その光景に足が立ちすくんでしまった。そして、自分がどれだけ長い道のりを歩き、ここへ辿り着いたかと、我に 返ったのだった。ここから一番近い町は余市、そこがわたしの祖父母がかつて住んでいた町とわかった。私の父が生まれた場所で・る。

そして、この145日間、3200キロの道中。ずっとつき・ってくれた底が薄くなったブーツを履いて、宗谷岬に立つ自分がいた。旅を始めた場所と、全く反 対の先端に立っている。日本という国が、まるで自分の親友のように感じる。
これで長い旅が終わった。とうとう帰途につく時がきた。ショートラテとダブルチーズバーガー、トリプルバイパスの国、アメリカへ。