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特徴

2010
33 号
Daiyuzan Trail: 'The Other Side'
By Pauline Kitamura

OUTDOOR JAPAN / TRAIL RUNNING COURSE GUIDE
Daiyuzan Trail
大雄山トレイル

‘The Other Side’
いつもの「反対側」

箱根は温泉、高級レストランそして歴史ある旅館などで観光客によく知られている観光スポット。とてもいいトレイルもあり、ハイカーやトレイル・ランナー達も箱根を訪れている。しかし、ひと山を越えたその「反対側」はあまり知られていない、小さな南足柄という町のことである。

この地域の人達は永遠に温泉を掘ろうと努力するが、そう簡単に温泉は出ない。温泉を見つけて一躍有名になった隣人の日陰で生きるのはもうやめよう、と決心するやいなや、お湯が出た。「どんぐりの家」と呼ばれた場所を深く掘削し、湯気をあげ湧き出る温泉水を掘り当てたのだ。

大雄山トレイルは温泉施設「あしがら温泉おんり〜ゆ〜」からスタートして、また戻ってこられるルートである。箱根のトレイルほど知られてはいないため、クオリティーは高いのに混んでいない。さらに、すばらしい景色を見て走った後、森の中には温泉が待っている。

「あしがら温泉おんり〜ゆ〜」まで行くには、大雄山駅からバスがでている。利用料金1,800円はちょっと高めだが、荷物をロッカーにいれてハイクに行けるし、タオル2枚と着心地のいい館内専用ウェアも料金に含まれている。もちろんトレイルで疲れた身体を癒す温泉もだ。

おんり〜ゆ〜から、舗装道路沿いに大雄山最乗寺に向かう。この寺は615年前に建てられ、全国から多くの人がお参りに来る。境内には古い杉の巨木が立ち並んでいる。

「杉の枝を切るは、お釈迦様の手を切ると同じ。根を切るは足を切るのと同じ」と伐採禁止令を出して木々を守ってきたそうだ。結果は明らかで、次の世代も何千とある、この見事な杉の森を楽しむことができる。

登山口は、真っ赤で大きな鉄下駄が近くにある橋をわたったところにある。ここからトレイルを行くと明神ヶ岳の頂上へ着く。ハイクは難しいものではないが時間が長く、2時間から2時間30分ほどかかる。だから急ぐことはない。

途中、道を横切り、明神岳の見晴小屋の前にでる。眺めは悪くないけど、見晴小屋と名づけられるほどではない。だから止まらないで登り続けよう。クライム半ばには2箇所ほど湧き水の出るところがある。神明水と明神水いう湧き水で、ちょろちょろと流れ出る水をウォーターボトルに汲み取ることができる。しかし神明水の方は枯れていることもある
もっと先へ進むと、錆びたタワーや最近まで使われていたスキーリフトがあらわれる。そこで振り返り、後ろに広がるすばらしい景色を堪能しよう。頂上近くになると登りがきつくなる。でもがんばって。あと数分で到着だ。

登山道の終わりに着いたら、右側に曲がり明神岳の方へ数百メートル歩き続けよう。あなたは今、箱根と「反対側」の境界に立っている。ここから見える360度パノラマの景色は見事である。南手には箱根の町が見え、晴れ渡った日なら海まで見わたすことができるという。そして眼下には大涌谷の噴煙が白い雲のように広がっている。

北東には南足柄、小田原の町、相模湾がある。運がよければ湾の向こうに千葉県も見える。

いつまでもこの景色を見ていたいけど、下山の時間だ。下山ルートにはいくつか選択がある。ひとつは箱根側の宮城野へ下るルート。もっと長いハイクがしたいなら、塔ノ沢か金時山登山口まで降りることもできる。

ここで薦めるのはまた「反対側」に戻るルートだ。尾根を西へ5分ほど歩き、最乗寺奥の院へ出る登山口へ行く。右手に小さな道案内がある。そのトレイルを下山していくのだ。

もしあなたが熱心なダウンヒル・トレイル・ランナーなら、ここからはご褒美をもらったほどに楽しい時間となる。思わずニンマリしてしまうほど、長く重力に 逆らったトレイルがずっと続くのだ。ある所はスムース、そしてある所は根っこや岩などがありテクニカルなルートになっている。

 

舗装道路を通り過ぎ、それからも下り続ける。すると、最も山の内側に最乗寺に到達できる奥の院に出る。大雄山最乗寺本堂へつながる長い石階段を降り、ここ でトレイルは終わる。

本堂でお参りをして、無事にハイクできたことに感謝しよう。銅製の鈴を鳴らしてお祈りをしたり、おみくじを引いたり、大雄山最乗寺のお守りを買って帰るのもいい。この寺はお参りに来た人に、ご利益があることで有名なのだ。

ここからは、同じルートでおんり〜ゆ〜へ戻る。さあ、ウォーキングシューズを脱ぎすて、「反対側」の温泉につかって疲れを癒そう。

TRAIL INFO
大雄山トレイル
神奈川県南足柄

アクセス

電車(新宿駅から):小田急線で小田原駅へ。伊豆箱根鉄道大雄線の大雄山行きに乗り換え、大雄駅で下車。乗車時間は約2時間30分。大雄山最乗寺行きのバスに乗り、大雄山最乗寺で降りる。乗車時間は約10分。

車: 東名自動車道を大井松田インターで出る。

Trail Stats:


およその距離と時間: 往復8・3キロ/3.5〜4.5時間

Best time to go:
ベスト・シーズン: 一年中

注: 
距離と登山時間はおよそのものです。時間は個人によって大きく違ってきます。


お役立ち情報

マップ:
ハイキング・マップ: 山と高原 マップ#29 「箱根」

この地図は大雄山から明神ヶ岳のルートしか載っておらず、下山は道案内版を見て降りてください。南足柄のツーリストオフィスかおんり〜ゆ〜で詳しい地図がもらえます。

ウェブサイト:
Daiyuzan Saijōji (大雄山最乗寺): www.daiyuuzan.or.jp

温泉:

Ashigara-no-onsen Only You (あしがらの温泉 おんり〜ゆ〜)
Address: 神奈川県南足柄市広町1520-1
Tel: (0465) 72-1126
Web: www.ashigara-only-you.com