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特徴

2015
Issue 57 (Autumn 2015)
ワカトビで「素」の自分を発見しよう!
By 三好利恵
 
ワカトビ島はインドネシア、スラウェシの南東のある島。ここを訪れるとビーチやダイブスポットをたったひとりで楽しむことも不思議ではない。観光客には意外と知られていないこの地域だが、ダイバーや海洋生態学者にとってはあまりにも有名なところ。なんとなく日本語の響きを感じるその名前。フライトの少なさとコマーシャリズムの洗礼を浴びなかったおかげで、ここはいまもその新鮮さを保っている。
ワカトビはワンギワンギ、カレドゥパ、トミア、そしてビノングコという4つの代表的な島で構成されている。ワカトビ国立公園は1996年に世界遺産として登録され、世界第二位の大きさをほこるサンゴ礁があり、そこには750種のサンゴと942種の魚が生息している。
 
 
ワンギワンギ島にはマタホラ空港があり、ここからワカトビの冒険がスタートする。この島には地元の集落とリヤビレッジ&フォートがある。鮫やエイはワンギワンギ・アイランドシティダイブで見ることができる。次に訪れる島はカレドゥパだ。北東岸にあるホガ島のリーフにはモブラスというマンタレイの一種やサンゴの庭がある。
 
 

カレドゥパには水面に浮かぶマングローブの森が海岸に沿ってあるのを見ることができる。トミアは白い砂とクリアーな水で有名だ。有名なダイブスポットはサワとンダー島だ。最後のビノングコ島は鉄鍛冶と陶器の交易でも知られた岩の多い島だ。ダイバーの向かうところはコロマハとココという岩礁でここにはサンゴに覆われた壁やオーバーハング巨大な洞穴、海亀、鮫、赤エイなどを見ることができる。

ベストシーズンは10月から12月、そして3月から5月。つまり雨季の前後の天候が安定する時期がよい。ここでは、イルカやマンタレイ、海亀、シュモクザメ、ジンベイザメ、ジュゴン、サメなどを見ることもできる。本格的なダイビング以外でも、ここではいろいろな楽しみ方ができる。スノーケリング、ウォータースキー、人のすくない白い砂浜でリラックスしたり、また夕日や朝日は息を飲むほど美しい。トミア島のフンテテビーチは1kmもつづく白い砂浜で地元でも人気が高い。

 

海の民

ワカトビの4つの島には61もの村があり、そこを訪れると、彼らの日常の暮らしとともに民謡や芸術、食や織物を発見するだろう。ときには結婚式や誕生日の祝い事に遭遇し、彼らから招待され、夕食や踊りがふる舞われるという嬉しいハプニングも起こるかもしれない。

 
 
朝と夕には毎日、モスクからコーランが流れて、ここはイスラムの国なのだと悟らされる。しかし、いくつかの種族は、いまでも彼らの伝統の教えを崇拝している。いまでもビーチや洞窟(どうくつ)で祖先が敬(うやま)い、残していった祭壇(さいだん)が発見されている。なかでもバジョという民族の村は海のジプシーとも呼ばれていて、興味深い。
 
 
彼らは流浪(るろう)の民でもあり、東南アジアの広い地域にまたがって暮らし、それぞれに長い歴史を持っているにもかかわらず言葉はまったく変わらない。彼らは海に生きる人々だ。家屋は海と陸の境にあり、サンゴの上に竹で建てられている。
 
バジョの人々は銛(もり)の名手で、フリーダイビングも得意だ。彼らは家々や店、そしてモスクへの移動も船を利用する。バジョの村で暮らすひとりの老人が、マタマタと呼ばれる木製の水中メガネを私に見せてくれた。それは、バジョの人々をあらわすシンボルとでもいえるもの。「村の人々のためにこれを長いあいだつくりつづけてきたんだ」。
 
彼のしわだらけの指はその長い歴史を物語っていた。彼の背後では子供が海に飛び込んだり、釣りを楽しんでいた。海に依存しているバジョの人々の暮らしは厳しい。だが忍耐強く、質素でありながら、すばらしい環境での彼らの暮らしは、ある意味、恵まれているといえるだろう。
 
 

眼下を望む

ワカトビでもっとも高い場所は、トミア島にあるカヒアンガのカルスト台地だ海抜250m)。ほとんどが平地のトミア島だから、ここではすばらしい景色が望める。海面下を流れる川やチャンネルなど、探索してみたい場所をここから発見することができる。ワンギワンギ島にあるコンタメールは別世界のようだ。

 
 
ここにある自然の池の水は紺碧(こんぺき)色をしており、また木々に覆われていて、風や周囲の雑音をも遮断(しゃだん)している。この池には水面下に洞窟があり、海とはまた違ったダイビングを体験できる。また西にはトミアのコウモリ洞窟トランドノが、また南西にはティーワイのコウモリ洞窟がある。

夜の買物

 
 
太陽が沈んだらパサールマラムに出かけよう。ワンチの埠頭(ふとう)にある闇市が楽しい。ここでは漁師が持ってきた新鮮な魚や果物、そしてカラフルな唐辛子が市に並ぶ、地元の陽気な音楽が流れる、地元のおばちゃんたちがサロンでドレスアップにいそしんでいる。虹色のスイーツを試してみる。酸っぱいお菓子もあるし、ケーキもいろいろ(個人的にはパンダンというココナッツケーキが美味しかった)。
 
ワカトビの名物はカラシ(タピオカ澱粉(でんぷん)でつくられたサクサクしたお菓子)、なにかお土産を探しているならば、ワカトビ産の織物、レジャというサロンがお勧めだ。編み込まれたその柄は人の目を引くストライプが芸術的だ。その布を使用したバッグやブックカバーなどもいたるところで目にすることができる。
 
 
新鮮な魚介とタピオカ澱粉でつくられたカソアミというご飯のような食物はこの熱帯諸島の名物だ。最後の夜の夕食で、私は地元の人々と日本の物価について会話をすることがあった。テーブルに置かれた大きなロブスターやフレッシュなココナツを前にして彼らはここには豊富にあると自慢していた。
 
 
翌朝、小型飛行機が飛び立つと、眼下にはワンギワンギの台地そして広大な岩礁が広がる光景を見ることができた。でも、ほかの乗客は旅行やビジネスの話に夢中になっていた。マカサーでのトランジットを経て、飛行機はバリの中心であるデンパサールに到着した。空港ではWi-Fiはもとよりデザイナーグッズなどテクノロジーや物質であふれていて、思わず私はワカトビのシンプルな生活が恋しくなった。
 
フレンドリーな空港のスタッフがそんな私の気持ちを察したのか、旅行はどうでしたか?と話しかけてきた。「そこはインドネシアでもっともローカルな場所ですよ」と彼女は言って立ち去った。 ✤
 
 

旅のヒント

フライト

ワカトビへの飛行機は一日一便、南スラウェシのマカサールにあるサルタンハサヌディン空港から出ている。ケンダリでのトランジットを経て、ワンギワンギ島のマタホラ空港に到着する。またバリからケンダリに行く方法もあるし、マカサールへはウイングスエアー、ライオン、シルクエアー、ガルーダ、エアーアジアをなどの航空会社を利用でき、デンパサール、ジャカルタ、スラバヤなどの主要都市から毎日便が出ている。また国際線ならばクアラルンプール、シンガポールからも便がある。ワカトビ・ダイブリゾートではチャーター便を用意していて、バリからトミア島までダイレクトに行くことも可能だ。

島巡り

ワンギワンギ島にあるバジョモラ港からはフェリーでカレドゥパやホガ島に渡れるし

ジャマルラーマン港からはトミア島に渡れる。パツノリゾートに宿泊する予定ならばリゾートのスタッフが港でアレンジしてくれますが、必ず確認をすること、天候により運行しないこともある。 

宿泊

ワカトビには、ふたつのリゾートがある。パツノリゾートはワンギワンギに、またトミアの近くにはワカトビ・ダイブリゾートがありここはプライベートな岩礁のなかに建てられている。ほかにも20ほどのコテージやホームステイのプログラムが地元の人によって運営されている。ダイビングが目的の旅行者は船内宿泊のヨットクルーズがあり、ケンダリからはセブンシーズ・インドネシアが、マウメレからはザグランドコンドがある。ワカトビリゾートからはザペラギャンヨットがある。

パツノリゾート:www.wakatobipatunoresort.com

ワカトビ・ダイブリゾート:www.wakatobi.com

セブンシーズ・インドネシア:www.thesevenseas.net

ザグランドコンドwww.komodoalordive.com

ザペラギャンヨット:http://pelagian.wakatobi.com

ダイビング

ダイビングツアーならばワカトビ・ダイブトリップトミア・スキューバダイブやホガアイランドダイブリゾートもある。またレンタルショップやスーケルなどの道具も売られている。

詳しくはワカトビツーリズムオーソリティ:www.wakatobitour.com

ワカトビ・ダイブトリップ:wakatobidivetrip@gmail.com

トミア・スキューバダイブ:www.tomiascubadive.com

ホガアイランドダイブリゾート:http://hogaislanddiveresort.com

 
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