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特徴

2015
Issue 56 (Summer 2015)
八ケ岳のサイクリング
By ロビンソン・ガードナー

世界中のダウンヒル(DH)やクロスカントリー(XC)イベントを転戦し、日本でのトレイルガイドやコース造成にかかわってきたポール。彼の最新の“二輪の冒険”はハードコアなフリーライドツアーはもとより、美しい8つのピークを望む八ヶ岳周辺でペダルを漕ぎたい人たちへと向かって走りだした。

フリーライディング誕生の地であるバンクーバーの北海岸にあるマウントシーモアの麓(ふもと)にはじまり、今や自分の“ホーム”と呼ぶアウトドアプレイグラウンドの長野県南部に位置する八ヶ岳の里山まで、ポール・チェトウィンドの自転車人生は20年以上に渡って走り回ってきた。

アウトドア・ジャパン(以後OJ) : マウンテンバイクをはじめたのは何歳の頃でしたか?

ポール・チェトウィンド(以後PC):20歳の頃、骨折した頸骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)のリハビリとして乗りはじめたんだ。次第に脚力もあがり、それと同時に精神的にも身体的にも強くなったね。1983年、22歳のときに初めてレースに出場したよ。

OJ:ブリティッシュコロンビア州、ノースバンクーバー。そんなマウンテンバイク・コミュニティのなかで育ってみてどうだったかな?

PC:マウントシーモアの麓での生活にたどり着いたのはラッキーだったね。カナダで初のマウンテンバイク専門店をオープンしたのは僕の仲間だったんだ。自分たちはただ一度も自転車から下りずに、ひたすらトレイルを上り下りしていたのが超楽しかっただけだから、自分たちのローカルマウンテンがトレーニングに最適な場所だなんて考えもしなかったよ。そしてあれから30年、マウントシーモアは今やフリーライディングの“グラウンド・ゼロ”さ。僕たちが急ぎ足で修行させられたのは確かだね。

OJ:ダウンヒル(DH)とクロスカントリー(XC)、どっちが楽しい?

PC:両方好きだから、難しい質問だね。XCレースでは自分を追い込み、つねに体力の限界と戦うと同時に精神との戦いにもなる。それまでのトレーニングの成果が実り、そして完成された“ゾーン”へと飛び込む、その感覚はほかでは味わえない。僕がその“ゾーン”をもうちょっと見つけられたらよかったけどね。 ダウンヒルはオリンピック種目になるべきだよ!3、4分つづく激しいライディング。ミスは許されない。そして観客は魅了される。まるでアルペンスキーのダウンヒルのようさ。ハードなDHほどアドレナリンを倍増させるスポーツは数少ないね。

OJ:日本へ来たキッカケは何ですか?

PC:1992年にレースで3ヶ月間日本に来たことがあってね。そのときの世界大会は最悪の結果で、そのときボスが“1シーズンでもなにか違うことをしてみたらどうだ?”って聞いてきたのさ。それから22年経ったいまでもまだココにいるよ!

OJ:南長野をホームとして選んだ理由は何ですか?

PC:日本に来た最初の年は箱根に住んでいたんだけど、人や観光バスで溢れかえっていてあまりに観光地っぽ過ぎたんだよね。やがて長野と軽井沢を行ったり来たりしているなかで、もっと長く長野にいたらと言われた時には、すでにココが自分の場所だとわかっていたよ。  豪雪地帯で有名な北アルプスよりも八ヶ岳周辺は雪も少ないし、山梨側では毎年日本でもっとも少ない降水量を記録している。それに加えてきれいな水と空気がサイクリングに最高の環境を与えているよ。

OJ:フリーライド・アドベンチャーズ(FRA)をはじめて何年ですか?

PC:10年間プロとしてレースをつづけた後、大勢の人からトレイルライディングの指導や案内を頼まれたんだよ。だからフリーライド・アドベンチャーズをスタートしたのも自然な流れだったのさ。スクールでも講習会でもないFRAはつねに自転車に乗る楽しさを伝えてきた。一日一組限定で、なるべく6〜8名の同じライディングレベルのグループに留め、そして彼らの技量に合った最高の一日を提供する。

OJ:八ヶ岳サイクリングベースを想い描きはじめたのはいつ頃ですか?

PC:都会から車でやって来る人達にサイクリングを広め、体験してもらう場として完璧な場所をこのエリアで探していた。いろいろなお店をハシゴしながらなにかすることを探している人を大勢見てきたからね。そこで僕はサイクリングのすばらしさを伝えたかったのさ。去年の秋にピッタリの土地を見つけ、すぐに飛びついたよ。

OJ:八ヶ岳サイクリングがFRAと違うところは何ですか?

PC:かなりハードなライダーたちが参加することでFRAの名前はつねに知れ渡ってきたことはたしかだ。僕の原点でありいちばん好きなところ。だが同時に初心者を引き入れることからは離れている。僕は八ヶ岳サイクリングを手軽にすべての世代やレベルに楽しんでもらいたい。たとえ山の頂上のスタート地点や、サイクリングの終点までバンで送迎しに行くことがあっても、なにも問題はない。いちばん大切なのはみんなが楽しい一日を過ごすこと。そしてもしそのなかの何人かのなかでサイクリングの“虫”が騒げばもっとイイだろうね。

OJ:八ヶ岳サイクリングとは何ですか?

PC:バイクレンタル兼コーヒーショップさ。クォリティのいいロードバイク、クロスバイク、そしてマウンテンバイクをさまざまなサイズで用意しているよ。自分たちでサイクリングに行くお客さまにはバンでの送迎サービスを。もちろん、ガイド付きのロードツアーも開催しているよ。

OJ:八ヶ岳エリアのサイクリングで特別なことはありますか?

PC:短い登り坂から20kmの山越えをする道までさまざまなライディングがこの近くで楽しめるよ。だれにでもピッタリな道がかならずあるからね。

OJ:ツアーは通年で開催していますか?

PC:このエリアでのサイクリングツアーは4月から12月まで開催しているよ。そして冬場はプライベートグループを対象に南の島でロードツアーを開催している。今年の冬から八ヶ岳サイクリングベースを拠点にスノーシューツアーもはじめる予定だ。

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