>  屋外日本雑誌  >  Issue 31 : 11月/12月 2009  > 特徴 >  ピッグ、「パウダー」トリップにでかける

特徴

2009
Issue 31
ピッグ、「パウダー」トリップにでかける
By The Hokkaido Bush Pig

うわー、かなり急な坂だ、ここでコントロールを失わないようにしないと! コーナーを曲がってすぐに坂だもん、うまく着地できるといいんだけど、木にぶつからないように……よし、うまく行った! あっまた坂が……ふう、またジャンプがあるなんて気がつかなかった。だけどスノーモービル最高!」

もし、やる場所とお金があるなら、スノーモービルは君を夢中にさせるスポーツだと思う。悲しいことに、僕はその二つのうち、一つしかもっていない。幸運にも、日本にはたくさんスノーモービルをできる場所がある。その楽しさはパワフルなエンジンで、雪上を頬で風きりながらスピードをだして走る興奮に、アドレナリンを上げ過ぎてスノーモービル中毒にならないように注意しないといけないほどだ。

でも、もし数年前の僕にスノーモービルについてどう思うかたずねたら、多分僕はこう答えたと思う。「あのうるさいの大嫌いだ。僕がせっかく北海道の山のなかで静けさを満喫しているのに、突然にしてスノーモービルの音が聞こえてくるんだ。最初は遠くにいるように聞こえるんだけど、次の瞬間に目の前を飛ぶような速さで通り過ぎるから驚かされるよ」と。でも実は見るたびに、僕もやってみたいと思っていたのは事実だ。

そして4年前にそのチャンスがやって来た。札幌のスノーモービルカンパニーが僕にガイドにならないかと言ってきたのだ。もちろんすぐに飛びついた。スノーモービルの運転はそんなに難しいものでなかったので、普通の人はすぐに運転できると思ったしね。

ワンランク上のパウダー
最初は整備されたゲレンデやトレイルを普通の初心者のように走ったが、2回練習しただけで冷たい風のなかを大きな笑みを浮かべてフルスピードで飛ばしていた。でも初めてディープパウダーの上を運転するのはまた全く別の話。スノーボードやスキーでディープパウダーを滑るのに似ているけど、スノーモービルのほうがもっと難しい。重い機械が転倒して下敷きになる可能性だってある。

ディープパウダーをスノーモービルで進むのは、水の中を運転するみたいな感じでものすごく安定が悪い。ずっと体を左右に傾けたり、立ち上がったりしてバランスをとらなくてはいけないのだ。 ほとんどずっと立ったままで運転することもあるので、体力は必要になるし運動しているように思えてくる。

そしてよく雪に埋まってしまうんだ。初心者の人には特によく起こりがち(認めたくないが、僕もまだ埋まってしまうことがある)。最悪なのは、身動きできなくなって立ち往生することだ。スノーモービルは軽いものではないし、北海道のようにパウダーがたかく積もっていると抜け出すのにとても長い時間がかかり一苦労する。でも何事もそうであるように、何度かやっているうちにコツがわかり、スノーモービルが大好きになるに違いない。

ハイマーキング
急なスロープをスノーモービルであがり、できるだけ高いところに車の跡をつけるんだ。ちょっと危険だけど夢中になるほど面白い。

ハイマーキングをするのがまだ無理だったら、スロープを横切る練習をするといい。スロープと平行に走ると落っこちてしまうので、上り始めるときから体をスノーモービルの上にして、モービルを自分のほうにひきつけ、ちょうどいい角度を保つのがコツだ。

そうすると一つのスキーと4インチぐらいのキャタピラートラックが雪と接触し、その残りの部分は浮いていることになる。ちょっと力やテクニックを必要とするが、できるようになるとすごく面白いんだ。

でももちろんテクニカルライディングなどせずに、バックカントリーを、積もりたての雪をけちらして走るのも大好きだ。スノーモービルから降りたとき、自分に降りかかった雪をふるいおとさなくちゃいけない場合は、いいライドができた証拠だ。

キロロ・スノーワールドとスノーモービル・ランド
この冬もし札幌を訪れ、スノーモービルを体験してみたいなら、キロロ・スノーワールドへ行ってみよう。札幌エリアのベストスキーリゾートに位置し、たいへんいいスノーモービル体験プログラムがあるので、ここで丸一日を過ごすことをお勧めする。

ここに、僕はスノーモービルを一回もやったことが無い友達2人といってみた。彼らはライセンスクラスを取り(ライセンスが無い人は必ず取らなければならない)、とてもいいレッスンを受けていた。授業では、やっていいこと、やってはいけないことなど学び、その後ひとりでも乗れるようにインストラクターが一緒にマシンに乗って教えてくれる。

キロロには、レベルに応じて数種類のコースが用意されている。僕の友達は森の中を行く短い初心者用の「林間」コースにトライしたあと、もっと長い「森林」コースを走った。

僕はもっと上級者用のコースをトライしてみたかったので、アメマス岳・ツアーという経験者用のコースを選んだ。これはプライベートツアーで、自分のやりたいことが条件に合えばできるというもの。以前にキロロのコースを経験したことがあるか、日本のスノーモービルライセンスを持っている人のみ参加できる。自由に運転していいのでやりたいことは思う存分やった。インストラクターは何もいわなかったけど、僕が何をするかよーく見ていた。キロロのすばらしい景色、広々としたオープンスペース、美しい森とたくさんのパウダーを楽しむことができて最高だった。

インフォーメーション:札幌市内からキロロまではバス、車で約80分。または小樽まで特急電車に乗り(35分)そこからバスで30分。新千歳空港から小樽駅まで電車で70分、そこからバスに乗る。ウェブ:  www.kiroro.co.jp

ニセコビレッジ、RSSスノーモービル・アドベンチャー
ヒルトンのニセコビレッジもスノーモービルプログラムをやっている。このプログラムはテクニカルというより、スノーモービルを楽しみたい人に最適だと思う。2時間のツアーがあり、スノーモービルライセンスを取る必要はない。しかしガイドが最初の一時間で安全な運転方法などのインストラクションをしてくれるから心配はない。

そして、その後にゴルフコースへ向う。冬はゴルフコースがスノーモービルのトレーニング場になるのだ。ゴルフコースなので平坦ではあるけど、いろいろな形状や、ヘアピンカーブなど、初心者には難しいエリアもある。

このツアーが終わって時間が残っている人は、「フリーエリア」で自由に運転できる。でもガイドがしっかり監視していてくれる。他の施設はずっとガイドが一緒なのでこれはとてもいいと思う。安全上、初心者にガイドがつくのは必要だと思うが、安全な場所なら一人でスノーモービルを自由に運転してもいいと僕は思う。

経験者でバックカントリーをスノーモービルで攻めたい人にはRSSを勧めないけど、その他の人には是非おすすめ。もしスキー目的だったものの、休憩時に気分を変えたいと思ったならニセコビレッジに行ってみてはどうだろう。

Web: www.niseko-village.com

ニセコ周辺
今冬、ニセコに子供を連れて行くなら、新しい体験をさせてあげてみるのもいいかもしれない。ニセコビレッジではツリートレッキングというプログラムがある。子供たちは森のアドベンチャーに夢中になるに違いない。

名前のとおり、木から木へつり橋やロープを使うアクティビティだ。コースは空中を空飛ぶキツネに乗って、またはジップラインで安全に地上に着地する。

もちろん子供だけでなく、大人もスリルを味わうことができる。ニセコビレッジのガイドはしっかり訓練されているし、参加者は皆セーフティラインにつながれたハーネスをつけるので安心だ。ガイドはみんながアドベンチャーを心行くまで楽しめるよう、いつも安全に細心の注意をはらっている。