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特徴

2006
Issue 8
A Cool Escape to Misty Island
By Matt Lindsay

メタンガスのようなニオイが漂ってくる。この鼻をつく臭いこそ、九州地方でもっとも高地にある温泉、霧島の名物。

臭いの原因となる二酸化硫黄は、温泉リゾートとして知られる霧島の火山活動の天然副産物。鹿児島・宮崎両県にまたがる霧島は、瀬戸内海国立公園、雲仙天草国立公園とともに1934年3月に、日本初の国立公園として制定された霧島屋久国立公園の大きな部分を占める地域。鹿児島や、縄文杉で知られる世界遺産・屋久島などを見渡せる、活火山の島(現在は地続き)だった桜島もこの国立公園内にある。

どっぷりつかる!

訪れる人の多くは、霧島の数々ある温泉リゾートやホテルの素晴らしい温泉施設を目当てにくる。旅人は、楽な浴衣に着替え温泉にいき、疲れを癒すためにその名湯に心行くまでつかる。
えびの高原にもまた多くの温泉がある。温泉の中には男女混浴の露天風呂までもある。パートナーと一緒に温泉を楽しむことができる。ここの温泉は療養効果があることで有名。神経痛、筋肉痛、関節痛のほか、冷え性、慢性消化器病、慢性皮膚病にもいいそうだ。

伝説の地

標高の高さから、霧島はよく霧に囲まれる。このミステリアスな霧のためか、たくさんの神話をもつ。最もよく知られているのは霧島が「日本発祥の地」というもの。

その伝説によると、天照(あまてらす)の孫ニニギ(アメニギシクニニギシアマツヒコヒコホノニニギ)が日本人を創始するため、高千穂峰に降臨したという。その際の、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)、草薙剣(くさなぎのつるぎ)は現在でも天皇家の皇位継承のシンボルとされている。

当然のことながら、霧島神宮にはニニギノミコトが祭られている。毎年夏の終わりに神を慰めためる舞が由来とされる神楽で知られる、「南九州御神楽祭り」が開かれる。あいにく祭りを見られなかった人には、神宮の入り口に飾られている様々な面だけでも見ることをすすめる。

アウトドア・ワンダーランド

くねり、くねり国道223号が、えびの高原に近づくと、国道沿いに広がる火山性の景色のなかにダイナミックな丸尾滝が目に飛び込んでくる(近郊には多くの滝がある)。あちこちにある噴気孔から噴出される硫黄が長年の間蓄積され、地表が黄色に染まっている。高原からはいくつものクレーター、カルデラ湖のある尖頭を見ることができる
えびの高原の地名の由来はこの地域に多くあるススキが関係する。それは火山地帯特有の硫黄の影響により、ススキが赤く「えび色」に染まるということかららしい。春はカブ科の黄色い花、夏はみやま霧島つつじが敷き詰められたように咲き、シーズンごとの景色を見せてくれる。   

ハイキング・コース

平均気温20℃というから、夏がもっとも観光客でにぎわうのも不思議ではない。夏の霧島はハイキングやその他のアウトドア・アクティビティに最適な季節。えびね高原のハイキング・コースをいくつか紹介しよう。

エメラルドグリーン・カルデラ/往復約2時間のハイキング。霧島の透明度の高い美しいカルデラ湖を見に行こう。餌を求めてでてくる、鹿たちに会えるかも。

お浪の伝説/霧島最高峰の韓国岳に一日ハイキングに挑戦。そして霧島で最も大きいクレーター湖、大波池をまわり下山。正直者には、お浪の別の姿、龍が池の底に見えるというから、よく目を凝らして。

スリー・ピークス/韓国岳から3つの山を越え、高千穂河原へ。霧島の景色が  満喫できる一日ハイキング。キャンプをして、霧島の景色を楽しむのもいいし、もっと快適に過ごしたいなら霧島ユースホステルに泊まり、霧島神宮周辺の温泉でのんびりとするのもよい。

アドバイス

霧島でのハイキングの際は、食料が購入できる場所が限られているので十分な食料を用意しよう。決して霧島が活火山であることを忘れないこと。ハイキング・コースを大幅にはずれると、地表は熱をもち、毒性ガスに囲まれる危険もある。

Getting There

霧島を訪れるには車が最も便利だろう。鹿児島から九州道でえびのIC。宮崎から宮崎道で小林IC。または、JR日豊本線で霧島神宮駅へ。えびの高原へはJR豊本線で都城駅にて吉都線に乗り換え、えびの駅へ。そこからバスまたはタクシーで。