特徴
フジロックフェスティバル05を振りかえる
この道がどこにたどり着くかあれこれ思案しながら、森をさまよう。あっても使わない地図は、とっくに、なくしてしまっている。しかし、分かれ道に立ち、考えこむこれが2005年の「フジロックフェスティバル」の初日の僕らの心境だ。僕等は音楽が導くままに、行動した。
フジロックは日本のミュージック・フェスティバルの大御所。3日間の計算つくされたカオス、一生聞き切れないほどの数のライブが7つのステージで繰り広げられる。
森に鳴り響くスキッフィーなギターリフに誘われて、左の道を進んだ。初日で気分的には、何でも試す気満々だった。森を抜け出ると「フィールド・オブ・ヘブン」ステージ前にでた。ステージ上のジャムセッションとロッカー魂がウッド・ストックのようなフィーリングをかもし出す。
演奏していたのは日本人サイコテクノ・ミュージシャンの“ロヴォ”で、エレクトリカなスペース・ロック・メロディーと言ったところ。観衆はパチョリの香り漂う中、ドラッグに酔いしれるマリオネットのように身体をゆする。
フィールド・オブ・ヘブンを出たところで、若者たちが洋服を脱いで木に登り、とめる友達をよそ目に何か騒いでいるのを目撃。“ポーグス”が演奏をスタートする時間なのに、まだそこまで時間かかりそうなので気の毒に思ったが、かまってあげる時間はなかった。
森をようやく抜けると、ホワイト・ステージで演奏が始まるところだった。ボーカリストのシェイン・マガウアンが加わり、ポーグスは砕けまくってたのを見た。僕らもあんなアイルランド人だったらよかったと思った。
翌日朝の7時にホテルに着いたら、ちょうど出かけるシェインにであった。彼は完璧に酔っ払った状態で、飲み物片手に鼻ちょうちんをたらしていた。ここで握手をしてもらうのは当然でしょう?
「ヘイ、シェイン、昨夜は『ボティ・オブ・アメリカ』を演奏してくれてありがとう」と、言うと。
「あんな****曲歌わなかった。****アメリカ! ジョージ・ブッシュがゆっくり****苦しんで死ねばいいんだ!」と、彼は吐き捨てていく。
あーこれってマジカルな瞬間。
土曜日もマジカルだった。“アジアン・ダブ・ファンデーション”が観衆に火をつけて、プチ暴動が起こったぐらいの盛り上がりだ。そして“ダイナソーJr”は、女の子がドクター・マーチンを履いているのがセクシーだった時代にスリップ・バックさせてくれた。
ステージの移動中に少し休憩、涼しくて気持ちのいい場所に腰をおろした。森のなかで通りすぎて行く様々な人をみて過ごした。パンクロッカー、ヒッピー、ヤッピー、英会話教師、日本人生徒が群れをなして歩いていく。
疲れたうえに腹ペコで、何か食べることにした。レストラント・エリアは世界中の食べ物があった。片目で、しかも9本ぐらいしか歯のない怪しいナイジェリア人のつくったタイ料理をむさぼった。その後、「レッド・マーキー」ステージへと向かった。
夜が更けるとテント・エリアが注目の場になる。真夜中からレイブ・ダンスが始まり、皆夜明けまで踊りあかす。ボストン出身の“クラウン・シティ・ロッカー” のインストルメンタル・ミュージックにみなが身体を揺らす。その後、“DJマドリブ”と“DJ KENTARO”が引き継ぎ朝までスピン・アウトする。
あいにくホテルの鍵をなくしてしまうが、やさしい日本人ヒッピーのカップルが彼等のテントに招いてくれた。彼等はツナ缶のようなにおいと、チェーンソーのようないびきをしていたけど、彼らの親切には感謝。
日曜日には、もう疲れて「メイン・ステージ」まで見に行く元気がなかった。腰をおろし“ザ・ビーチ・ボーイズ”の残りのステージを聞いた。彼等は賛美歌を注ぐ太陽に向かって歌っていた。
“ニュー・オーダー”と“プライマル・スクリーム”がフェスの後半を飾るのをよそに、最後の森の探索へと出かけた。
森を歩きまくり、いくつもの丘をのぼり、最後の最後まで2005年のフジ・ロック・フェスティバルを満喫した。
フジロックフェスティバル06の楽しみ方
フジロックフェスティバル06年はビッグ・アーチスト勢揃い。ソニック・ユース、フランツ・フェルディナンド、ハイブスなどの他、新人ミュージシャンもも集まる。
日本のプログレッシブ・パンクグループ、ナツメンはヘビー・バージョンのピンク・フロイドのよう。彼等のサイファイ・ヴァイブは夏の星空の下、しょぼしょぼした目を覚ますのに最適だ。
クラップ・ユア・ハンズ・セイ・イエーはブルックリンをベースに活躍するバンド。彼等のサウンドはファンキーなのに押し付けがましいところがない。ちょっとナイーブなトーキング・ヘッズみたい。
NRBQのキーボード奏者のテリー・アダムズが自分のカルテットを率いる。ブルース・ギターリストのスティーブ・ファーガソンとシリアスなブギーを聞かせてくれるのは間違いない。
そして伝統的な沖縄音楽をモチーフにした上々颱風も出演。彼らの曲は耳から離れない、お見逃しなく。
シエラ・レオネ率いるザ・レフュジー・ オール・スターズは6人編成のギニアのバンド。10年に及ぶ内戦で故郷を後にした彼等の歌う、自由の歌はご機嫌。そしていつも必ずっといっていいほど、予期しない最高の出来事が起こるもの。だから参加して自分で味わおう。




