>  屋外日本雑誌  >  Issue 14 : 1月/2月 2007  > 特徴 >  The Gods’ Playland

特徴

2007
Issue 14
The Gods’ Playland
By Neil Hartmann

カムイミンタラは、アドベンチャーとリラクセーションに包まれた神様の遊び場。

昔々、このギャラクシーで二つの巨大な地質構造プレートがロシアの東で衝突した。2000年かけて表面化してきたのが北海道の中央に位置する、十勝と日高山脈だ。

これは北海道の中央にある、山の歴史的地質学のショートバージョン。北海道は二つの島が大きな衝突でできたと聞く。この衝撃によりつくられたのが、僕らのプレーグランドである大雪山国立公園だ。

アイヌ族は、大雪山をカムイミンタラ、または「神様の遊び場」と呼ぶ。見渡す限り2000mの高さ、煙吹きだす温泉、活火山、珍しい火山植物、鹿、熊など、まさに神様にぴったりの場所。そして僕らにとっても、この上なく素晴らしいところなのだ。

過去5~6年間、ぼくの冬のプレーグランドである十勝で、雪、絶好の斜面、そして撮影場所を求めて、僕と僕のクルーは札幌を出発し、東方へと向かった。

富良野のスキー・リゾートでは、いつも大雪山を見なが滑っていた。富良野のゴンドラには他の山々の名前のスティッカーが貼ってあった。天気のよい日には、朝日岳、十勝岳、富良野岳などを望むことができる。

ヘブンリーな裏庭

ようやく富良野岳と層雲峡の奥にある、有名な温泉のある谷に向かう時がやってきた。露天風呂からの景色は、まったくもって素晴らしい。天気のいい日、または満月の夜は見渡す限り、山並みがつづく景色が望める。

ここは北海道でもっとも有名な、バックカントリースキーとバックカントリースノーボートのフィールドだろう。国道291号線より3時間のハイクアップで富良野岳の頂上付近に辿り着く。そこからは二つの尾根か、谷を選ぶ。
少し先に歩を進めると、道が終わり、温泉やホテル層雲閣の駐車場がある。駐車場から見える谷の景色は、友達と滑る一日を素晴らしいものにしてくれる。いつも絶好のコンディションとは限らないが、高地だから仕方がない。バックカントリーを滑るなら、準備を万端にしてトレーニングを受けることをすすめる。このパーキングが見える場所でさえ、死亡事故が発生している。距離に関係なく細心の注意を払うことだ。
温泉に浸かる

極寒のなかハイクアップするのはちょっとという人、大雪山はリラックスできるオプションもあるのだ。混浴の富良野吹き出し温泉はいかがだろう。テレビドラマ「北の国から」で有名になり、国道291から100mほどのこの無料温泉は、週末には一杯になる。しかし、その価値はある。満月か、新月の時の星空の景色は忘れがたい。
経験者からの忠告。二つの温泉があり、小さく、上にあるとても熱い風呂と、大きくて、温度がまだ低い温度の温泉があるが、この下の方にあるほうは、まだ耐えられる。あるとき一人でこの温泉に来たとき、大きいほうの温泉に若い人カップルがいるのを見た。紳士的に、彼等を二人だけにしてあげようと、上のほうの温泉に行った。小さい風呂で、つま先を湯に入れたとき、熱さで死ぬかと思った。もう、引き返すわけに行かないので、車に帰るまで10分ほど、子供が出来なくなるんじゃないかと思いながら、熱い湯に浸かった。

スプリング・ボーディング


春には朝日岳や天人峡まで足を伸ばす。僕は夏に登ったことはまいが、春に朝日岳に登るのは最高だ。

数年前、古いゴンドラが、頂上まで直行する100人乗りケーブルカーに付け替えられた。斜面はクセがなく、毎朝整備されている。しかしオフピステが一番なんだ。

短くて、ディープなエリアがゴンドラから少し歩くとある。でも気をつけて。昨シーズン、あまりにフカフカすぎて、僕の親友がそこで手首の先まで雪に埋まってしまったんだ。その手をみた他の友人が彼をすぐに救った。ゴンドラの近くでも、バックカントリーに違いはないのだ。

ゴンドラが嫌いで、もっと遠くに行きたくって、そして裏山に行きたいって? ミクニパスは僕の大好きな場所だ。国道273号は、静かな、もっとも北に位置する頂上につながる。層雲峡のあと右にまがり、東側の山に沿って、さらに南に車をすすめる。景色は素晴らしい。時々でてくる鹿に気をつけて! 糠平のひなびた温泉で一晩過ごすのもいいだろう。

お湯につかっている間、100を越す、大雪山のスポットのどこに行くか考えなければならない。富村牛、北大雪、一月の後半から3月の後半まで行われる氷瀑祭り、層雲峡などなどだ。必ず夜訪れて! 火がともされて、アイヌの太鼓と花火を見ることをすすめる。氷点下でも、暖かい酒が身体を温めてくれるのだから。

6月から7月は、美瑛と上川がラベンダーのシーズンにあんる。絵葉書に見るような、雪をかぶった山を背景にラベンダーに覆われた丘が表れる。国道237号は朝日岳から富良野まで北南に走るが、観光バスで一杯の道でなく、他のわき道からその景色を楽しもう。

ケータイなんか忘れて、銀行口座も解約して、大雪山の魅力にどっぷりつかりたいところだが、実際には、妻に数時間したら、家にかえると伝えるのが関の山。カムイミンタラの意味が本当に理解できるのは、この地だ。

大雪山はまったくもって広大で、神のみがその全貌を知る。僕らはその表面を少し見るだけで、一生かかってしまうのかもしれない。