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特徴

2007
Issue 16
The Star of Gladness
By Glenn Killian

重さ8トン、長さ62フィート。2重船側構造の原始的カヌーは「ホクレア」という名で知られる。たくさんの意味合いをもちすぎて、船体自身を忘れられがちだが、多くの人々の希望を受けてマストがふくらむ。 ホクレア号を目にしたことは一度しかないが、その大きさと、ハワイ先住民の伝統文化、舵をとる人々の誇りを想像すると感動せずにはいられない。

ワイキキ・ビーチで、人々のざわめきが聞こえ。それは、すぐに大きな歓声となった。地元の人々は、そのカヌーがホクレア号だとすぐわかったが、観光客はこの騒ぎがなんなのか、それを見ることができてどれだけラッキーかさえも理解できないでいる。 

過去と未来、ハワイの人の心と魂を乗せてホクレアがゆったりと進む。大勢の人々の力によって、ハワイとポリネシア伝統を融合させ、近代的な舵機能を持たない古代カヌーが再現された。
“喜びの星”という名がぴったりだ。 

ホクレアのことを思うと、僕のヒーローであるエディ・アイカウが、マストの上に座り、自分が犠牲になり、救った人々の様子を見守っているような気がする。エディは1978年、タヒチに向かうホクレアに乗り込み、モロカイとオアフの途中で船が遭難したとき、サーフボードで荒海へ漕ぎ出し、消息を断った。以来、彼の英雄的行動は伝説となった。


ポリネシア航海協会30年の歴史のなかで、これが唯一の事故だという。エディは70年代、ワイメアでライフガードとして、また、ビッグウェーブ・サーファーとして知られていた。彼の功績を称えるサーフィン大会もある。ハワイの人にとってエディは、“アロハ・スピリット”以外の何物でもない。 

ハワイ文化ルネッサンスと推測航法術の指揮をしているのが、エディの親友であるナイノア・トンプソンだ。彼はポリネシア航海協会の会長であり、ホクレアの航海長である。彼は、1980年、過去500年で初めて2500マイルのハワイ・タヒチ間往復航海を成功させた唯一のハワイ人だ。 

具体的には、星、太陽、月、雲の形状、波の方向、風向き、運を天に任せ、飛んでいく鳥を眺めながら舵を取る。地図もなければ、コンパスやラジオもない。 ナイノアはラッキーだった。ホクレアはただのカヌーではなく、マナ、スピリチュアル・パワーと古代ハワイ人が守ってくれている船なのだ。  

1980年の最初の航海の成功後、ナイノア(彼は1976年のタヒチ航海にも乗組員として参加している)は、南太平洋やポリネシアのあちらこちらを航海した。 

世界中の人々がナイノアの業績とハワイ伝統文化への貢献を讚え続けている。 

彼の航海の中心人物は、ミクロネシア・サタワル島出身のマウ・ピアイルグだ。マウはナイノアにハワイ人とミクロネシア人祖先が使った推測航法術を伝授した張本人だ。 悲しい事に、この航海技術は失われつつある。マヌも彼の祖父から航海技術でなく、生活をしていくための必要な知識として教わったという。

小さなサタワル島での生活では、舟は漁をするために使われる。マヌは、海や自然に溶け込んだ生活をしていたが、ハワイ語で直感という意味の “ナアウ”と伝統的な知識を使って航海することをナイノアに教える事に情熱を注いでいった。その後ふたりは、ポリネシアの伝統的航海技術を復活させたていったのだ。
ホクレアの2007年の航海は、マヌに敬意を表すため、サタワル島を訪れる。ホクレアはサタワル島とハワイの人々を乗せたカヌー「アリンガノ・マイス」とともに旅立った。 

もう一つの航海は4月20日から6月20日にかけて、沖縄、熊本、長崎、福岡、山口、広島、愛媛、横浜を訪れる。ホクレアのクルーは今から教育活動や、文化交流を楽しみにしている。だから、500年も次の航海を待つ必要なんてないのだ。

グレン・キリオン/ハワイ、ホノルル州出身。過去12年間、福岡で過ごした。ハワイを離れて、いっそうハワイへの思いが強くなった。アロハナというレストランを福岡で経営し、近々横浜店も出店予定。

Hokule’a Voyaging Schedule

Yap (Micronesia) to Okinawa (Itoman Harbor)
Estimated Travel Time: 14 days
Estimated Arrival: Apr. 19/Apr. 20
Days in Port: 5 days

Okinawa to Kumamoto

Est. Travel Time: 7 days
Est. Arrival: May 1/May 2
Days in Port: 4 days

Kumamoto to Nagasaki
Est. Travel Time: 1 day
Est. Arrival: May6/May 7
Days in Port: 3 days

Nagasaki to Fukuoka
Est. Travel Time: 2 days
Est. Arrival: May 11/May 12
Days in Port: 5 days

Fukuoka to Oshima (Yamaguchi)
Est. Travel Time: 2 days
Est. Arrival: May 18/May 19
Days in Port: 4 days

Oshima to Hiroshima
Est. Travel Time: 1 day
Est. Arrival: May 23/May 24
Days in Port: 5 days

Hiroshima to Uwajima
Est. Travel Time: 1 day
Est. Arrival: May 29/May 30
Days in Port: 4 days

Uwajima to Yokohama
Est. Travel Time: 7 days
Est. Arrival: June 9/June 10
Days in Port: 8 days

Note: Hokule'a will be shipped back to Honolulu on June 23.