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特徴

2007
Issue 19
In Search of Powder - A Backcountry Guide
By Shoji Matsumoto

正直なところ、日本人のあいだではウインタースポーツが活気づいているというにはほど遠い状況だ。しかし、海外のスキーヤーやスノーボーダーと話すと、「次は日本に行きたい!」という人が非常に多い。彼らの目当ては六本木や秋葉原ではなく、もちろんスキー場。今や海外の多くのメディアがこぞって日本の“パウダー”を紹介し、ブームとなっているためだ。

日本の豊かな降雪と温泉。そして、うまいメシの虜になっている外国人が後をたたないらしい。スキー、スノーボードをきっかけに世界の多くの人に日本の文化に触れてもらえれば、非常にうれしいと思う。
西高東低の冬型の気圧配置に日本があるとき、北西の季節風が日本海に吹くと、海水温の高い海面から水分を吸収する。そうすると雪雲ができ、これが日本列島の山脈にぶつかって雪を降らせる。
日本へのパウダートリップへの足がかりになるように、筆者が選んだ8エリアを紹介する。この情報から自分の好みの場所を発見してもらえれば幸いだ。
日本のスキー場・バックカントリーは海外のスキー場とは違う管理方法をとっているところがほとんどだ。
バックカントリーで起こした事故の対応は、北米などとは異なる。そのため、自分達でリスクマネジメントをし、セルフレスキューができないのであればバックカントリーに入るのは、オススメできない。
スキー場では、“日本”のルールとマナーを守って滑走し、「何故こうではないんだ?」という疑問・要望はスキーパトロールに伝える、またはアンケートボックスなどに書くといいだろう。スキー場にとって、ユーザーの声が一番大事なのだから。

1.
富良野・旭川エリア
アクセス/旭川空港から
雪質/
★★★★★

旭岳、富良野岳、十勝岳など、2000m級の山々が連なる富良野・旭川エリアだが、山麓にスキー場があるところは少ない。世界屈指の軽さを誇る雪質は、特徴すべきだろう。深い沢状のところが少なく、山の裾が広がっている地形が多い。厳冬期は気温が非常に低いので、服装に注意。バックカントリーは春。天候も安定し、まだまだ良い雪も滑れるためツアーには向いている。

2.
ニセコエリア
アクセス/札幌国際空港から
雪質/
★★★★

ニセコアンヌプリ、モイワ山、イワオヌプリなどが連なる、今や世界的に有名なニセコ山系。降雪が多く雪質は非常に軽い。だが、比較的海に近いため、内陸よりも若干湿度が高いところがライディングにいいと言うライダーが多い。ライディングを楽しむメインのエリアはツリーランなので、晴天でなくとも快適にライディングができる。スキー場からも、道路からも、バックカントリーへのアクセスが比較的しやすい。快適に滑走ができる斜度が多く、極端に急なところは少ない。雪が降っている日にナイターでパウダーを滑るのがオススメだ。

3.
八甲田山エリア
アクセス/青森空港から
雪質/
★★★★


八甲田山は、本州最北部にある火山群。周辺は世界でも有数の豪雪地帯であり、雪質は軽い。地形はなだらかなところが多く、ゆったりとしたライディングが楽しめる。ただ、地形に特徴がなくて迷いやす。視界が悪いときは注意が必要だ。残雪による春スキーも人気がある。厳冬期の豪風によってつくられる樹氷は必見。

4.
水上エリア
アクセス/上越新幹線・上毛高原駅、またはJR信越本線・水上駅から
雪質/
★★


谷川岳、神楽ヶ峰、至仏山など、新潟県と群馬県の県境には多くの山々が連なっている。太平洋と日本海からの大気がぶつかり合う地域であるため、降雪量が非常に多く、天候が変りやすい。雪質は標高が高いエリアは軽いパウダーが楽しめるが、全体的には重め。バックカントリーエリアへは、スキー場からアクセスできるところも多い。山と山が密接していて、地形が非常に複雑。急な斜面の深い谷状地形で、リスクが高いところが多い。東京からのアクセスの良さが一番の魅力であろう。

5.
妙高エリア
アクセス/JR信越本線・妙高高原駅
雪質/



妙高山、三田原山、赤倉山、黒姫山、前山、丸山などがあり、日本海に近い。そのため、かなり重めではあるが豊富な降雪がある。一晩に1m以上降ることもめずらしくない。降雪が始まると非常にたくさん降るため、天候を良く見てバックカントリーに行くこと。地形は森林限界、ツリーなどバリエーションに富んでいて、快適にスピードを出すことができる斜度がある。スキー場からのアクセスができる山を上がるのが一般的だろう。とにかく深いパウダーを滑りたいならばオススメだ。

6.
白馬エリア
アクセス/JR大糸線・白馬駅
雪質/
★★★

北アルプス北部の後立山連峰のビッグマウンテンエリア。山の麓にあるスキー場のリフトから、バックカントリーにアクセスをすることができる。厳冬期は晴天率が低く、晴れていても天気が変りやすい。八方、五竜は急で幅の広いな斜面が多いが、風によって斜面の雪質が大きく異なることが多い。また、沢地形になっているところが多いので、地形リスクは高い。栂池はツリーエリアがあり、特に森林限界へのアクセスがしやすいのが魅力である。白馬はコンディションが整えば標高差1000mのロングランができるのが魅力。

7.
立山エリア
アクセス/立山黒部アルペンルート・室堂駅
雪質/
★★★


雄山・浄土山・別山・剣岳・奥大日岳など3000m級の山々が連なり、古くから人々に楽しまれているエリア。アクセスするには「立山黒部アルペンルート」を使用するのが一般的であるが、12月~3月は営業していない。そのためシーズン前の11月、4月以降の春スキーを楽しむ人々がほとんどだ。天候さえよければ、これらの時期でも上質のパウダーを楽しむことができる。森林限界より上のエリアのため、木は一本もない。濃いガスに覆われると滑走しづらく、方角を見失いやすい。温泉付きの山小屋・ホテルに2日以上宿泊して滑るのがオススメだ。