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特徴

2008
Issue 20
Heaven is a Golden Marsh
By Lee Dobson

言い伝えによると……。
その昔、貧しい芋ほり農夫が、掘ってきた芋を洗っていた水に、なんと砂金が混じっていたそうだ。こんな物語が、金の沢=金沢というのが名の由来という。

約500年前。一向宗徒は1580年に小田信長に権力を奪われるまで、金沢の御坊寺を拠点として、この地を治めていた。金沢は、その跡地に金沢城を築き、 加賀藩の原型を築く、加賀藩初代藩主・前田利家の手にわたる。以後、金沢は加賀百万石の城下町として繁栄することになる。

利家は、短い豊臣秀吉の時代も、長く続いた。徳川家康の時代にも耐え、金沢と近隣領地を治め続けた。利家が起こした城下町の伝統文化や生活様式は、この地 に計りしれないほどの影響を与えている。明治維新には、金沢は石川県の県庁所在地となり、今日も利家の影響は色濃く残っている。

金沢の人々は、目新しいものが大好きだといわれる。駅から一歩外へでると、改築された駅のデザインに、目を見張る。この街の人々が芸術的であり、豪華な建築物を好むのがよくわかる。

瀟洒な店舗、レストランが街中に見られる。今、金沢は世界中のホテル業界から注目されているだけでなく、旅行関連からの資本投資が急速に増えている。

いったい、金沢とほかの観光都市は何が違うのだろう? いや、“何が”というよりも、“どんなに違うか”と聞き直したほうがいいかもしれない。
繁華街から離れ、散策する。350年以上前に造られ、いまだ大名の名勝としての佇まいをみせる「兼六公園」に迷い込む。

現代から、歴史的な場所への移行は、まるで違和感ない。何世紀も前に造られた寺の周囲には、ギラギラとした建物、ケバケバしい看板や広告などは一切ない。

すべてのものが、ここでは調和がとれている。前田氏の影響は今でも続いているのだ.

地元の人々にとって兼六園は、彼らの誇りである。ゆっくり、広大な庭園を散歩すれば、「六を兼ね備える庭」という意味の宏大、幽邃、人力、蒼古、水泉、眺望という6つの美のテーマが理解できるだろう。
四季折々の美しさをみせてくれる兼六園だが、冬の風物詩となっている雪釣りされた松の木を見ることができれば幸運だ。

 歴史より芸術という方には、2004年にオープンした「金沢21世紀美術館」を訪れよう。ワールドクラスの収蔵作品を揃え、世界各国からの展示もある。洗練されたレストランとバーも併設されている。

美術館も、展示品のような円形デザインだ。そのなかで、もっとも注目を集めるのが、濡れずに泳げるプールだろう。

昔の面影を残す「ひがし茶屋街」にも足を伸ばしてみよう。住民の努力で、いまでも、お茶屋建が残されている。ときおり、芸者さんの姿をみかけることもあるが、今日では多くのお茶屋はお土産屋やレストランに改装されているのだ。
夕暮れの「東山」は特別な魅力がある。金箔グッズ、九谷焼、輪島塗などの土産店が連なり、金沢の思い出を持ち帰るのに最適だ。
おいしく、豪華な食事

 金沢はさまざまな人の味覚を満足させてくれる街でもある。地元の新鮮な魚、肉、各国の料理まで幅広く楽しめる。

朝9時前に近江町市場に出掛けて、活きのいい海産物や青果を試食したり、市場の賑わいを楽しもう。
市場周辺の小さな店で、新鮮な海の幸の御馳走を、手ごろな価格で味わうというのもいいだろう。しかし、金沢の食事はどこも、量が多く、美味しくて安い。ちなみに、市場は日曜日と祭日は、お休みとなっている。
金沢をたっぷり楽しむには1〜2泊して、街をブラブラすることだ。天国なんだから、ゆっくりしたいでしょ?

WEB CONNECTION
兼六園: www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/e/index.html
金沢21世紀美術館: www.kanazawa21.jp/en/index.html
金沢市: www4.city.kanazawa.lg.jp
石川県: www.pref.ishikawa.jp