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From The Editor

2008
Issue 22
From The Editor

昨年の夏、新しい友人と三宅島を訪れて以来、今号を楽しみにしていた。三宅島に到着すると、すぐに島の悲劇的な美しさに、虜になると同時に、気まぐれに有害ガスを吐きだす火山に不思議な魅力を感じた。

  そのうえ、イルカがいる。スノーケルとマスクつけ、人々が漁船から海に飛び込むのをためらった。数百m離れたところには、険しく切り立った岸壁から滝水が 落ち、まるでハワイを思い出す光景だ。だが、イルカの姿をひとたび目にすると、僕らはまるで興奮した子供のようだった。最初はためらいがあるものの、最後 には全員が船から飛び込んだ。あとは疲れたとき(僕の場合は船酔い)だけ、休憩のために海に戻っていった。以後、この愛らしい生き物と、青い海の中、目と 目をあわせる夢のような体験に夢中になった。

 しかし、イルカはなぜか、漁業関係者、環境保護主義者、サーファー、政府関係者の紛争の渦中に巻き込まれる。原因は、文化、伝統、感情、人々の生活、外国人アレルギー、有害物質、そして、経済的理由が絡んでいる。

  この号の編集をしている間に、和歌山の太地で環境保護主義団体が、丸々一年をかけて調査したイルカ捕獲の現状報告をしたニュースが入ってきた。イルカを捕 獲することは、日本では禁じられていない。しかし、この団体は捕獲は商業的に必要ではないし、捕獲の仕方にも問題があると主張する。スーパーで売られてい たり、学校給食にも使われるイルカとゴンドウ鯨には、有害なレベルの水銀が発見されており、安全面からも問題だという。日本は長い捕鯨の歴史があり、これ は慎重に扱われるべき話題ではある。

 『アウトドアジャパン』は、日本人と英語圏の読者のいるユニークな雑誌。様々な意見が交換できる場所でもある。だから、皆さんがどう考えるか是非、知らせてほしい。