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コラム

By Kazuko Ikeda

Stretching Your Limits

2009
Issue 26

縦になが―い日本列島の冬は、どっさり積もった雪かきから1日を始める人もいれば、マフラーを首に巻き、寒い都心をオフィスに向かいながら白い世界を夢見ている人もいる。さて、そんな真冬の今回は私がピラティスを教えるアルペンスキーヤー、ジュリア・モンクーソー(www.juliamancuso.com)のアルペンスキーワールドカップ転戦のエピソードを紹介しようと思う。

アルペンスキーのシーズンは10月の終わりから、3月中旬までと5か月間。その期間、北米、スカンジナビア、ヨーロッパと移動をしながら、毎週末各国で試合がある。全ての種目(滑降・スーパー大回転・大回転・回転)に参加する選手は約40試合近い数を5カ月間で戦うのだ。

アルペンスキーでは種目を絞るスペシャリストから、全種目に出場するオールラウンダーがいるが、ジュリアもそのひとりだ。5ヶ月間の多くの時間を自国から離れ、約40試合を戦うのは、かなりの体力と精神力を要する。そのため選手の間では、オリンピックで金メダルをとるよりも、ワールドカップのタイトルをとる方が、価値があると言う。

さて、そんな選手たちのライフスタイルだが、ヨーロッパ人以外は皆ホテル生活になる。一見、「ホテル生活なんていいな!」と思う読者もいると思うが、何週間もホテルを転々とするのは想像以上に疲労を募らせる。それを解消すべくキャンピングバスやキャンピングカーでツアーを転戦しているのがジュリアと、同じくアメリカのエース、ボディ・ミラーだ。その一番のメリットは「食事」だ。

キッチン付きの車内では、朝食から夕食まで料理することができる。各地の地元のスーパーマーケットやパン屋で食材を調達し、スタッフが料理をするのだ(ジュリアも料理がとっても上手だ)。ホテルや外食を続けることによる、塩分の増加、バターやオイルの過剰摂取などが体調管理に悪影響を及ぼすが、自分達で料理すれば何を口に入れているのか把握し、コントロールすることができる。2つ目のメリットはこのキャンピングカー自体が「我が家」そして「ジム」になることだ。

狭くても自分のベッドで、お気に入りの毛布と枕で眠れるというのは本当にリラックスできる。さらには自転車・バイブレーションプレート・ウェイトなどなどが置かれ、ミニジムが設置されている。.

ちなみにこの2人は、2006年のトリノオリンピックも選手村やホテルに滞在するのではなく、バスとキャンピングカーに滞在していた。