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コラム

By Troll

The First Cut is the Deepest

2009
Issue 26

初めてナイフに触れたのは4歳の時。駄菓子屋に売っていた100円の小さなカッターナイフの色に惹かれて買い求 めたものだ。さっそく友達が遊んでいる保育園へ行き、どれだけ切れるか試したくて皆の前で自分の指を切って見せたのだ。すると当然ながら、出血がとまらな い。友達は悲鳴をあげて騒然し、ウチはあまりの痛さに驚いて泣き出した。事件を知った先生が応急処置をしてくれたが、こっぴどく怒られ、えぐれた指を見た ウチも友達も、刃物の怖さを思い知ったのだ。

そんな痛い思い出もあったけれど、アウトドアをやるようになった今では欠くことの出来ない大 切な道具として日頃から愛用している。スモークしたベーコンをスライスしたり、釣った魚をさばいたり、庭で育てたゴーヤを収穫するときに切ったり、凍って 取れなくなってしまったテントのペグを掘り起こしたり。様々な場面でお世話になっている。

先日、そんなナイフを携帯していたら、なんと警 官に捕まってしまった。まともなコミュニケーションもとれないままに、わけもわからず警察署へ連行され、「なぜ自分が?」とショックを受けた。

す べての取り調べを筆談で受けたため4時間以上かかった。しかも、手話通訳者がいない事を理由に、取り調べは突然中断。日を改めて手話通訳者をつけてもらっ て、やり直しとなったのだ。

 「キャンプに使う大切な道具だ」

そう訴えたが、それでも没収されてしまった。色々な思い出 がつまっているナイフだったから、とても悲しかったんだ。確かに同じナイフでも使い方次第で“凶器”にもなるし“道具”にもなる。だからこそ、正しいナイ フの使い方を知るべきだと思う。そこから学ぶことも多い。しかしナイフを扱う機会がなければ“凶器”と“道具”の区別もつかないだろう。でもウチはアウト ドアをするうえで必要な道具だからこそ、ナイフに関する法律を理解する必要があると考えさせられた。銃刀法では刃体6cm以上のナイフの携帯は違反にあた る。でも6cm以下のナイフを隠し持っていたとしても今度は軽犯罪法違反になってしまう。確かに治安を守るために警察官は任務を抱えている。けれど、ウチ らにとってナイフは畏敬すべき存在であり、必需品である。