コラム

By Kazuko Ikeda

Breath

2009
Issue 27

実はこの原稿を書き始める前に風邪をひいてい た。お腹の調子が悪くなり、吐き気と熱が伴 い1日中寝ていた。実は同じ症状にアルペンスキー ワールドカップ転戦中の選手もかかっていたようだ。

2009年を迎えた際に今年のキーワードを「呼吸」と 「調和・ハーモニー」にした。この数年、「新年の誓」 の代わりに気になる言葉を選び、それに注目し、勉 強し、実際に取り組んだりしながら1年を過ごしてい る。言葉の力とは偉大で、それによってどんどん新 しい出会いや発見があったり、深みが増すものだ。

ピラティスでは6つの基本原理を提案している。 その一つが「呼吸」。ピラティス考案者のジョセフ・ ピラティス氏が実際に動く映像をYou Tubeなどで見 ると、彼の大きなあばらがそれを感じさせてくれる。 解剖学的に呼吸によって肋骨の間の筋肉と横隔膜が 鍛えられ、そこにつながる筋肉達にも多くの影響を 与える。呼吸の質と動きの連動が、どれだけ身体に 多くの効果をもたらすのかを知ることができる。

私たちの多くも、子供のころから体操の後には深 呼吸を経験していると思うし、試験や面接や大会な どで緊張したら深呼吸をするように言われたことも あるだろう。フィギアスケートの浅田真央選手も、 演技の前に深呼吸することで成功したそうだ。

ピラティスの他にも多くのエクササイズ、ヨガ・ ヤムナボディローリング・太極拳・気功・ジャイロ トニック・ウェイトトレーニングなども「呼吸」がベー スとなる。もちろん全てのスポーツにおいて「呼吸」 は大切なこと。息を止めると筋肉が固まり動きが硬 くなる。マッサージなどでも、息を吐くと共に硬い 筋肉も解放し出す。さらには自律神経への影響も大 きい。交感神経と副交感神経のバランスを整えるの も呼吸だ。呼吸が身体に及ぼす影響は大きいのだ。

風邪をひきながら苦しくなり、ゼーゼーと息を吐 き出すことで楽になる。息を吐くから自然に吸うこ とができ、新しい空気が身体の中に入ることで回復 へと導いてくれるような気がした。

人間が誕生して初めに行う行為は呼吸、そして最 後も呼吸で終わる。呼吸が私たちに生命を与えてく れることに気がつく。新鮮な空気が流れる場所で、 大きく深く呼吸をして感じてほしい。気持ちが良く なったら、もっと身体全体で呼吸を感じてほしい。 ヤムナボディローリング:www.yamunabodyrolling.jp