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コラム

Faces in the Crowd

By Greg Lowan

大地: 大きな夢を抱いた、小さなお店

2010
34 号

フェアトレード

東に温泉で有名な別府、西に現代的都市の福岡と、二つ都市の中間に位置する九州大分県中津市は、人口8万5千人の小さな町だ。数年前、妻のみほはこの町で教師の仕事を引き受けた。その頃まだ無職だった僕は、中津市周辺をマウンテン・バイクならぬワン・スピードのママ・チャリであちこちを探検した。

温泉やハイキング・トレイルまで舗装整備された道を、よくバイクで走ったもんだ。そして中津の町の横道や裏道も走りめぐった。

中津の中央にフェアトレード・ショップ「大地」というカフェを見つけたのも、そんな都市探検をしているときだった。「大地」は海外で遭遇したフェアトレード団体に影響を受けた須賀留美子さんが、1987年にオープンさせた店。娘である要子さんと共同でショップを運営している。

カラフルな文字とデコレーションの「大地」の一風変わった外見が僕の目を引いた。自転車を止めて、店の中にはいると所狭しとならんだ洋服や世界中の手作りの品物が迎えてくれた。このインテリアと懐かしいお香を嗅いで、僕は最初混乱してしまった。えーっと、ここは中津だっけ? 環境意識の高いカナダの西海岸にも「大地」のような店があり、いっぺんに懐かしくなった。

我に返ると、須賀要子さんと彼女のお母さんが、コーヒーかお茶はどうですかと温かく迎えてくれた。なんと、それは日本で飲んだコーヒーの中で一番おいしいかった。

その後、数ヶ月の間、妻と僕はよく「大地」に行った。僕らはいつも歓迎してもらい、そして彼らがフェアトレード・ショップを始めるようになった経緯と、どのようにショップを運営しているのか知った。須賀さん親子は中央アジアを定期的に訪れ、適切な価格で直接アーティストや織物職人から買い付けをしているのだ。ショップには旅の写真と、すべての商品に生産地と生産者という詳細が掲示されている。

要子さんは中津アースディの運営に関わり、留美子さんは中津市議会員活動と「大地」運営に携わり、親子でグローバルな視点で、社会、環境問題に取り組んでいる。

次に北九州を訪れるときは、この元気付けられる家族経営のショップに立ち寄ることを是非おすすめする。

Daichi 大地
Nakatsu, Oita大分県中津市
Tel.: (0979) 22-0963
www.ne.jp/asahi/sugarumi/daichi

グレッグ・ローワンは、カナダのカルガリーでライター、リサーチャー、ウィルダネス・ガイドをしている。連絡先はこちら。www.greglowan.com