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コラム

Trail Recipes

By Akira Suzuki

台無しピザ

2009
Issue 30

(材料)
ベーコン
タマネギ
トマト
チーズ
ブラックペッパー
タバスコ(好みで)

最初に断っておくが「台無し」といっても、「失敗した」という意味ではない。「台」、つまり小麦粉で作った円いかたちの生地がない、という意味なのだ。そりゃあ、野外でうまいピザが食べられたら最高なのだけれど、あの台を作るのはけっこう大変なのだ。日本では厚切りトーストの上にピザの材料が乗った「ピザトースト」なる食べ物が流行した時代がある。あれは、きっとピザ生地よりも、パンのほうが日本では入手しやすいという理由もから生まれたのだろう。あんなレシピは日本だけだと思うのだが、最近はピザトーストを出す喫茶店もなかなか見かけない。

今回使っているのはベーコン、タマネギ、トマト、チーズというイタリア料理の典型食材。特にベーコンは肉、脂、塩がひと塊になって、しかも燻製の香りも付き、燻煙処理が施されているから生肉よりもはるかに保存期間が長い優秀な食材だ。キャンプでは非常に重宝する。魚介類でそれに匹敵するのは、やはり缶詰のアンチョビだろう。

ピザも本来はオーブンで作るものだが、上下から熱するか、調理容器内に熱がこもればいいわけなので、オーブンがなくても可能だ。道具がないからできないではなくて、今ある道具を使って作ってしまったり、その事柄の本質が理解できれば、対応の仕方はいくらでもある。これはアウトドアの重要なスキルである「臨機応変」ということにほかならない。

今回もフライパンにアルミホイルをかけて熱をこもらせ、最後にトーチで軽くあぶって焦げ目を付けている。料理の軽い焦げ目は、仕上がりをいかにもおいしそうに見せてくれる。ひと手間かけてもする価値はある。(鈴木アキラ)

フライパンで小口切りにしたベーコンを、弱火で炒め脂を出す。串切りにしたタマネギを加えて、そのまま炒める。タマネギに火が通ったらスライスしたトマトを乗せる。









上からチーズをふりかけて、アルミホイルでフタをして、チーズがとろけるまで弱火で熱する。チーズがとろけたら、ブラックペッパーやタバスコをかけて出来上がり。