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コラム

Trail Recipes

By Akira Suzuki

北アフリカの家庭料理

2010
Issue 37

ラムのトマト煮込み

材料
ラム骨付き肉7〜8本
タマネギ1個
完熟トマト(大3〜4個)またはトマト水煮缶(2個)
ニンニク2かけ
ローズマリー1つまみ
コンソメ小さじ3
塩小さじ1
オリーブオイル(大さじ3)

ニンニクのスライスをオリーブオイルで炒め、ラムの骨付き肉を加えてさらに炒める。ニンニクを炒める時には弱火で決して焦がさないようにすることが肝心


本文
これは昔、僕がパリ・ダカール・ラリーの取材でアフリカに行った時、北アフリカのとある村で現地のオバチャンに教わった料理だ。仕込みさえすれば後は鍋が勝手に作ってくれるタイプの料理なので、今でもキャンプでよく作る。かの地では壷のような土鍋で作っていたが、再現するのに最も適しているのはやはりダッチオーブンだろう。1〜2時間弱火でコトコト煮込めば、骨から肉がホロリと外れるほどになっている。クスクス(粒状のパスタ)にかけて食べるのが一般的らしいが、スパゲッティのソースとしても最高だ。

北アフリカと言えば食べる肉は「羊」である。日本では北海道以外で羊肉を食べる習慣はあまりないのだが、世界的に見ればモンゴルからトルコを経て北アフリカまで、「肉といえば羊」という国は非常に多い。

そして羊料理に欠かせないハーブがローズマリー。甘くさわやかな香りで羊肉との相性は抜群。ベランダのプランターでも育てやすく(虫も付かない)、紫色のかわいい花が咲く。お風呂に入れても香りがいいので栽培を是非お薦めしたい。

みじん切りにしたタマネギ、手で潰したトマト、ローズマリーを加えて肉が骨から簡単に外れるくらいになるまで煮込んだら、コンソメと塩で味付けて出来上がり


羊肉は日本でも一時ブームになったが、その要因の1つとしてダイエット効果があげられる。羊の脂肪は、融点(溶けて液体になる温度)が44℃と高いのでとけにくく、吸収されにくいためだ。また、脂肪分に含まれるカプリル酸は、消化・吸収されたあと肝臓に運ばれて燃焼されるので、中性脂肪に再合成されることがない。つまり体脂肪として蓄積されにくく、肥満や生活習慣病を防ぐ働きがあるとされている。さらに、羊のタンパク質に含有されているカルニチンには、細胞内の脂肪の燃焼を促す作用があり、その量は牛や豚の3〜10倍も多いのだとか。

しかし、脂肪の融点が高いということは凝固しやすいということでもあり、食べ過ぎはお腹をこわす元でもある。モンゴルでは「ヒツジを食べたらうつぶせに寝るな」という格言があるが、これはつまりお腹を冷やすなという意味だ。冷えたビールとはこれ以上ないほど最高の組み合わせなのだが、何事も程々にしないといけないようだ。