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コラム

Trail Recipes

By Akira Suzuki

ベーコンとキャベツのトマト煮込み

2010
36 号

ベーコンというのは非常にキャンプ向きの食材である。第一に燻製であるから未加工の肉に比べてはるかに日持ちがする。第二に塩漬け、塩抜きの工程を経ているので、しっかり塩味が付いていて「味付き、香り付きの肉」というよりも「肉と燻製の香りが付いた塩」と言い換えてもいいくらいだ。実際、僕がベーコンを使って調理をする際には、ほとんどの場合で塩は使わない。ベーコンに含まれる塩だけで十分なのだ。しかも十分なのに主張しすぎない。これも素晴らしい。

と、ここまで書いて非常に恐縮なのだが、これは「本物のベーコン」を使った場合の話だ。

ベーコンに本物と偽物があるのかって? 

実はある。

残念ながらスーパーで売っているパック入りベーコンは、そのほとんどが偽物と思って間違いない。パック入りのベーコンは実際の燻煙工程を経ておらず、燻液と呼ばれるタール状の液体をくぐらせることで燻製のような香りを付けているにすぎないのだ。だから本来ベーコンの持つ保存性もまったく期待できない。

これとまったく同じように作られているのが安価なスモークサーモンだ。

ベーコンもスモークサーモンも本物を食べると、それまでのものはいったい何だったのだと思うほどの衝撃がある。それだけ塩も燻製の香りも強いのである。

今回作った料理「キャベツとベーコンのトマト煮込み」は、もちろん本物のベーコンを使用した一品だ。そのまま食べてもいいし、パンに挟んだり、パスタのソースにして食べてもウマイ。

残ってしまったらカレーパウダーを加えるといい。それだけで2日も3日も煮込んだトマトカレーに早変わりする。メキシカン風が好きな人はカレーパウダーではなく、チリバウダーを加えるといいだろう。

静岡の御殿場付近に行くことがあったら「ふじい(☎0550-82-2683 日曜休)」という肉屋に寄ることを是非お薦めする。ここのベーコンは掛け値無しの本物で、一度食べたらほかのちゃちなベーコンは口にできなくなってしまう。ここのオヤジさん(残念ながら亡くなってしまった)が、何を隠そう僕のベーコン作りの師匠なのである。

■材料(2~3人分)

キャベツ(1/2)
 完熟トマト(4~5個)またはトマト水煮缶(2個)
タマネギ(大1個または中2個)
 ニンニク(大2~3かけ)
 ベーコン(250g)
 コンソメ(大さじ1)
 ブラックペッパー(小さじ2)
 オリーブオイル(大さじ3)

作り方1

スライスしたニンニクをオリーブオイルで炒めて香りを出し、スライスしたベーコンを加えさらに炒める。火は弱火で、特にニンニクを焦がさないよう注意することが肝心

作り方2

串切りにしたタマネギ、乱切りにしたキャベツを加え、手で潰したトマト(これがポイント)を加えて煮込み、軟らかくなったらコンソメ、ブラックペッパーで味を整え出来上がり