コラム

Adventures of the Hokkaido Bush Pig

By The Hokkaido Bush Pig

The Search Party

2009
Issue 28

これはあるグループを北海道の山へ案内した時に実際におこった出来事だ。 迷惑をかけたり、面倒なことになるかもしれないので、詳しいことはふせることにする。

8日間のトレッキングツアーの3日目、僕らは小さな飛行機がある場所でしばらく飛び続けたかと思うと、また他の場所へと飛び去っていくのを見た。

グループのある人が「何しているんだろう?」とつぶやいた。
「たぶん遭難した人をさがしているんじゃないかな」と僕は答えた。

次の日は飛行機だけでなく、離れたところで2機のヘリコプターも確認した。すぐにヘリコプターの爆音が僕らの頭上に響きわたり、誰かが遭難したのは間違いないと思った。

それから時間が経過して、日が暮れはじめたので僕らはキャンプサイトへと向かった。到着すると警察官や自衛隊の人がいて、彼らはこのキャンプサイトから日帰りでハイクに行った人がいまだに帰っていないらしいことを告げた。「3日も行方がわからない。これが彼の荷物だ」と警察の人が教えてくれた。

僕らがテントを張り、食事の用意をしていると他のグループがやってきた。ここから物語は面白くなる。

何でも、彼らはこの地域の山に精通している地元の人で構成されたレスキュー隊だという。ほとんどの人が50歳代、なかには60歳代と思える人もいる。張ったテントの中にある彼らの荷物からはウィスキーやビールが次々と出てきてびっくり。たぶん食べ物もあったのだろう。

僕が予想した通り、その夜、彼らのテントでは「レスキューパーティー」が開かれ、まわりのテントの人たちは一睡もできなかったほどの賑やかさを見せた。僕はこの山のどこかにいる遭難した男の人のことを考えられずにいられなかった。僕がもし遭難して、救助隊が宴会を開いて大騒ぎをしていると知ったなら嘆き悲しむだろう。

翌朝、よく眠れなかった僕らは早くおきた。僕らの仲間の中にはレスキュー隊のパーティーに参加した人もいたようだ。「たくさん飲んだの?」と聞くと、ニコニコしていた。なんでも、彼らがもってきた飲み物を全部飲むのを手伝ったらしい。

僕らが出発したとき、レスキュー隊のテントからは何も物音が聞こえなかった。僕は、たとえ遭難した人が彼らのテントの上にドサっと落ちても、こんなレスキュー隊なら気がつかないんじゃないかと思った。遭難にあっている人にはお気の毒だが、このレスキュー隊にはあまり期待しないほうがいい。

奇跡的に行方不明だったハイカーは5日後に生還した。彼は川沿いをくだっていたところ、釣り人に助けられたという。9日間も遭難していたというから、本当にいい結末でよかった。だけどあのレスキュー隊だけはいただけないね。