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コラム

By Kazuko Ikeda

Spring Forward

2009
Issue 28

健康や美容は永遠のテーマである。女性ファッション誌やエステ・スパでも注目されているインドの伝統的な学問アーユルヴェーダは5,000年の歴史があり、ヨーガも同じく古代インド発祥の修行法で長い長い歴史がある。紀元前2,500年前から生きる上で大切なことは何かと考えられ、知恵が絞られ、今でも継承されているわけだ。

学問にしろ修行法にしろ、今では飛行機でどこへでも気軽に行けるようになったことで実際に体験することができ、勉強できるようになった。さらにはインタネーットが普及したことによって、様々な情報が簡単に手に入るようにもなった。


ピラティスと言うエクササイズが日本にやってきたのはまだこの10年ぐらいだ。この数年の流行もあり、「ピラティス」と言ってそれがエクササイズであることは知られてきたようだが、「ヨーガの種類ですよね」とか「コアエクササイズですよね」なんて言われることも少なくない。

まあ、間違っているわけでもない。ピラティスを考案したジョセフ・ピラティス氏(ドイツ)はヨーガも勉強し、ピラティスのエクササイズの中にはヨーガのポーズと似たものが沢山ある。

幼少の頃から医療が身近にあったピラティス氏は、健康であり続けるための知恵として独自のメソッドを確立した。ピラティス氏が考案したメソッドで、私が一番「天才」だと思う部分は、彼が作りだした面白い器具達だ。

ウェイトマシーンのようにおもりがついているわけでもなく、使われているのは強度のあるスプリング。キャデラックと言う器具は、元々病院のベッドに寝ている人がエクササイズ(リハビリテーション)できるように考えられたそうだ。その他にも身体のアライメントを正しながら動けるようにするリフォーマーなどがある。

これらの器具を使いながら動くことによって、器具(スプリング)が正しい身体の動かし方へと導いてくれるような感覚になる。どうしてスプリングを使うのか? ピラティスは「背骨」のエクササイズなのだ。このスプリングが筋肉に対して抵抗になり、ギュッと縮まった背骨周りの筋肉を伸ばし、自由に動かせるように導く。尾骨から首まで続く背骨を長く自由に動かせるようにすることで、しなやかでありながら、かつ強い動きを可能にする。さらに、背骨には身体の隅々、脳にまでつながる多くの神経がつながっている。背骨を動かすことによってこの神経達へも刺激が及ぶのだ。

1800年代に生まれたジョセフ・ピラティス氏の健康の知恵が詰まったピラティス・メソッド。多くの人にとってピラティスとの出会いは、スポーツクラブのクラスレッスンであるという。クラスレッスンでは、ヨーガのようにマットの上でエクササイズを行うが、実はこのマットの上でのピラティスが一番ハードなのである。ぜひプライベートレッスンで、スプリングのマジックを体験してみてほしいと思う。