>  屋外日本雑誌  >  Issue 2 : 11月 2005  > コラム  >  Travelers Tune  >  ‘Encountering Aliens’ With Moby

コラム

Travelers Tune

By Shoutaro Takahashi

‘Encountering Aliens’ With Moby

2005
Issue 2

モービーの取材をしたのは、もう3年前。現在までに500万枚近い売り上げを誇る、前作「18」のリリース時のことだ。

インタビューの後、いつものように「旅のお勧めポイント」を雑談っぽく尋ねる。良い気分転換になるのだろう、何人ものインタビュアーに音楽のことばかり聞かれて飽き飽きしていたアーティストはみな、この手の本題から外れた質問には、実に楽しそうに答えてくれる。話が弾みすぎて時間が押し、マネジメントの方には迷惑をかけることも多いのだけど。

まず彼が地図に印をつけたのは、自分が住むニューヨーク。そしてカリフォルニアとアメリカ東部・ニューイングランドの海岸。その横には、お得意のイラストまで書いてくれて、サービス満点だ。それにしても、はじめに海へと目が向くところは、さすが名作「白鯨」を書いたメルヴィルの子孫で・るモービー。アーティスト名だって、主人公のエイハブ船長が追い続ける巨大鯨「モーヴィ・ディック」に由来しているんですからね。

内陸では、ナショナル・パークが集中するユタ、コロラド、ニューメキシコ、アリゾナ州の、いわゆる「グランド・サークル」。だけど、この地域で一番の注目は、ナショナル・パークではなく、ニューメキシコ州の田舎町・ロズウェルだという。ん、この名前、聞いたこと・りますよ! 確か、1947年にUFOが墜落し、宇宙人の死体が回収されたという、・の伝説の場所なのでは? 

「そう、ここに行けば、キミは宇宙人に会える。会いたいだろ?」

数ヵ月後、僕はロズウェルの町を訪れた。

いや、この街は……。ほとんど何もない砂漠地帯の町なのに、「UFO博物館」の周囲だけは、キャラクターされたエイリアンのフィギュアだらけ。UFOと宇宙人で町を盛り上げていこう、という気概で満ち溢れている。アメリカでも、こういう「町おこし」って・るんだな・。宇宙の神秘もなにも、・りません。

後から知ったのだが、アルバムタイトルの「18」とは、宇宙人の死体が運ばれた空軍の格納庫の番号でも・るのだとか。雑談のようでいて、しっかりとプロモートの一環だったのかも。

変遷する最先端。
モービーの作品たち

Moby
Hotel
(Toshiba EMI
今年リリースされた、モービーの最新作。人間が集まる「ホテル」をモチーフに、さらに作品に暖かみが加わったような。やっぱりモービーは、宇宙人じゃなく人間です。

Moby
18
(V2 Records)
ジャケットは、思いっきり「宇宙」なモービーの前作。とはいえ、最新のダンス・ミュージックで・りながら歌心もたっぷりで、聴きこむほどに楽しめる作品だ。

Moby
Play
(V2 Records)
今よりもかなりブラック、かつテクノっぽい大ヒット作。全世界で1000万枚以上売れ、今聴いても新鮮だ。ちなみにこれ、直筆サインをもらった私物です……。

Moby
Animal Rights
(Elektra)
Play以降のモービーしか知らない人にも聴いてほしい、もろにロックな作品。タイトルでは、厳格な菜食主義者のモービーらしく、動物の・利を主張してます。

ミキさん、英語のCDキャプションはひとつにまとめたいと思います。下段に、日本語とは別に入れます。

ロズウェルに到るハイウェイから見える風景は、まさにアメリカの大西部。荒涼とした砂漠と、時に現れる深い森。UFOが飛んでいても不思議じゃないです。