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コラム

Nature Trails

By Dave Paddock

Who Doesn’t Like a Hot Bath?

2005
Issue 3

温泉好きのサルがいることで有名、な長野県山之内町の地獄谷野猿公苑。ここでは、二ホンザルの生活を身近に見ることができる。

発明家、そして追いやられる二ホンザル

二ホンザルは、新しい行動をつくりだし、その行動を群れ全体に伝えるという、文化行動を示す野生動物である。宮崎県幸島の研究では、“食物を洗って食べる”という1匹の雌ザルが始めた行動が、群れ全体に広がる様子を観察した。この行動はその後、食物を海水につけて塩味をつける、水泳を楽しむといった行動に進化。冬の地獄谷では、温泉につかる親ザルたちの周りで、雪の玉や木の枝で”遊ぶ”子ザルたちの姿が有名になった。

しかし、残念なことに、開発や皆伐、杉の単一植林によって二ホンザルの生息環境は、いまも脅かされ続けている。彼らは自然採食が困難になるにつれて、農作物を食べ荒らすようになった。そして、農家の怒りをかった毎年5,000匹あまりの二ホンザルが捕獲・処分の対象になっている。近年、研究者たちは、開発の制限や混交林の管理を行えば、日本人が何世紀にも墲スって敬い親しんできた二ホンザルの生態を保持することができると訴えているが、その道筋は未だ見えていない。