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コラム

Travelers Tune

By Shoutaro Takahashi

The Kooks

2006
Issue 7

人気ミュージシャンに聞いた音楽とは関係がない質問、「あなたの母国で旅すべき場所を教えて?」今回はイギリスの新人、ザ・クークスです。

今年になって日本でデビューアルバムが発売されたザ・クークス。ボーカルのポール、ギターのヒュー、ドラムのポール、ベースのマックスという4人だが、そのほとんどがまだ10代。ものすごく若いバンドなのに、結成して3ヵ月後にはメジャー契約していたというから、かなりの実力派だ。

サウンドは、実にシンプルでメロディアス。流行とは関係なく、10年後に聴いても、もしかしたら10年前に聴いても、十分通用するクオリティ。最近の新人ではダントツで輝いている。

ヒュー「ブライトンはオレたちの本拠地だから、旅のオススメ先として、迷わず決定。実際、イギリスで最もクールな街だよ。どんなジャンルの音楽も盛んだから、遊びに行く場所には困らないしね」
そう、彼らはブライトンで結成されたバンド。ブライトンといえば、「さらば青春の光」の舞台。モッズ好き、ザ・フー好きには、聖地でしょう。    
ポール「次はリヴァプール。音楽的歴史もあってさ」

ヒュー「あの街はたしかにクールだ。気持ちいいヴァイブが漂ってて。それに北にあるからか、リヴァプール人って他と違う。バス停に並んでいると、隣の男が『死ぬほど寒くねぇか、おい』と、おもむろに話しかけてきたり。だから、オレも『いや、本当にそうだね!』なんて答えちゃったりするんだよ」
ピーター「俺の故郷リーズもそうだよ。親しみがあって、オープン。誰とでもフツーに話せるんだ」
ヒュー「リーズには誠実な人間が多いよね」
ピーター「だから、ロンドンに引っ越したばかりのころは辛かったね。オレとしてはオープンでフレンドリーに接しているだけなのに、気軽に見知らぬ人に声をかけると、『金でもせびるのか』みたいな目で見られて。ロンドンのヤツは閉鎖的なんだよ」
ヒュー「そうそう、ロンドンのヤツは疑い深いんだ」
ピーター「北の人間って、気持ちがいいよな~」
   
話はオススメの旅先からどんどんズレていったが、とりあえずイギリスでは北部の街に旅したほうが、ロンドンよりも心安らかになれることは、間違いなさそうだ。
ヒュー「それと、スウォンジーも勧めておこうか?」
全員「ガハハ!」
ポール「悪さをするならココだろ?」
全員「ガハハハハ!」
ピーター「ストレスを発散させるなら、スウォンジーだ」
全員「ガハハハハハハハ!」
なんだ突然? 街に親しみやすさを求めているのかと思っていたら、突然暴力的になる彼ら。残念ながら、ウェールズ南部の都市スウォンジーで何があったのかは、最後まで謎でした。(高橋庄太郎)
   

●CD紹介×4
(見出し)
ザ・クークスの
デビューアルバムと、
最近のイギリス新人たち

The Kooks
Inside In/Inside Out
(Toshiba EMI)
甘くて切ない、イギリスの王道ロック。音数は少ないのに、空に広がっていくようなスケール感も。新人でこの完成度を出すとは、今後が怖いくらいだ。

Arctic Monkeys
Whatever People Say I am, That’s What I’m not
(Domino/Hostes)
近頃巷で話題の一枚。たたみこむような性急なリズムで、アップテンポ。どの曲も非常にノリがいい。クセの強いボーカルも、なかなか魅力的だ。

Dogs
Turn Against This Land
(Island)
若さあふれるパンクっぽいのラフなテイスト。アレンジも工夫されていて、アルバム全体からやる気が感じられる。曲のバリエーションも多く、飽きませんよ。

My Latest Novel
Wolves
(V2 Records)
メランコリックなストリングスに、フォーキーなボーカル。サイケデリックな感じもあり、なんとも美しい音の世界が作られている。心地よさを求める人に。