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コラム

Adventures of the Hokkaido Bush Pig

By The Hokkaido Bush Pig

The Adventures of the Hokkaido Bush Pig

2006
Issue 8

いつ、何処で、誰と出くわすかわかったもんじゃない

今月は、ここ北海道、ビッグアイランドで起こった、珍しい出会いについてお話ししよう。

北海道道南の、樽前山(1,041m)と風不死岳(1,103m)のふもとにある支笏湖でキャンプをしていて、僕がある友人に初めて出会ったときのこと……。

(Illustration by Eureka!)

その日は、樽前山の頂上に登り、火山噴火口をみた後、風不死岳頂上にいき、ご機嫌な一日を過ごしていた。ふたつの山は並んでいて、ひとつの山道でつながっている(別々に登ることも、ふたついっぺんに登ることもできる)。

日が沈み始め、空は雲ひとつなく、満月がぼくの様子をうかがうように顔をだしていた。

夕食をとった後、さてどうするかと思案しているところ、「バン!」と、普段、あまり起こらない、ある閃きが。苫小牧市の夜景や満点の夜空を、ひとりでのんびりと夏の夜を楽しむため、樽前山に今からまた登ることを思いついたのだ。

泊まっていたキャンプ場から、上り口までは車で15分の距離。そこから頂上までは50分程。登り始めた頃には、日は完全に暮れ、月が照らしていた。

頂上に近づくにつれ、歌声と吹奏楽器の音と思われるものがはっきりと聞こえてきた。僕を同じことを考えていたのは、僕だけじゃなかったことを知った。大きな酒瓶の隣に座り、50代の男性が歌を歌い、尺八を吹いていた。そう、彼ちょっと酔っていた感じ。

僕が驚いたと思う? そりゃそうだ。だけど、僕の顔を見て、外人だったと気がついた時の彼の驚きときたら。

初対面の衝撃も落ち着いたころ、うれしいことに彼は酒を僕にすすめてくれた。
ここでちょっと役に立つアドバイス。僕はいつもバックパックの外にブリキのカップを下げている、そして大きなパックにはハイキング、トレッキングギアをつめる。というのは、ハイキング中お酒を勧められたのは今回がはじめてじゃないので、こういう時のためコップを持ち歩いているんだ。山の頂上、彼のそばにすわり、彼の尺八、日本の山歌、素晴らしい眺め、夜の星空、そしてもちろん酒に酔った。

たくさん酒を飲んだあとの下山は、またいつもとちょっと違った感じ(正直にいうとよく覚えていないんだけどね)。彼とは今でも付き合い続けていて、北海道の他の山々でも同様な思い出深い夜をふとりで過ごす、いい友人となっている。