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コラム

Travelers Tune

By Shoutaro Takahashi

Canadian ‘Piano Man’ Daniel Powter

2006
Issue 9

人気ミュージシャンに聞いた
音楽とは関係がない質問、
「あなたの母国で旅すべき場所を教えて?」
今回は最近大ブレイクしたダニエル・パウター。

カナダの新人ピアノ・マンのダニエル・パウター。ピアノだけじゃなく、シンガー・ソング・ライターとしても超一流で、シングル曲「バッド・デイ」は、なんとビルボードのチャートでNo.1。この曲は、春から夏にかけて日本中でも鳴り響き、めちゃくちゃに売れたから、絶対誰もがどこかで聴いているはずだ。
彼の出身地はカナダ西部・バンクーバーの付近。それだからか、やはり旅のお勧めも西部中心だ。

「バンクーバーのような街もいいよ。だけどクイーン・シャーロットという群島があってね、ここがすごいんだ! ドライブできる場所だけでも9時間はかかるけど、自然がたくさん残っていて。ホエール・ウォッチングでも有名だし、釣りの穴場も多い。観光客はあまり来ないから静かで、心穏やかになれるよ」

クイーン・シャーロットの周辺は、典型的なフィヨルド地形。太平洋の荒波を多くの島々がさえぎり、静かな海の水路、いわゆる「インサイド・パッセージ」になっている。かつて先住民族のハイダ族が、あのトーテムポールをたくさん立てた場所だ。写真家の故・星野道夫が何度も通ったほど、美しい森も残っている。

「それとね、ウエスト・コースト・トレイルという道があるよ。ものすごくすばらしいところだけど、自然保護のために誰もが勝手には歩けない。完全予約制なんだ。だが予約してでも、ぜひ行ってみてほしいね」

このウエスト・コースト・トレイルは、巨大なバンクーバー島の太平洋岸にある、全長75キロのトレイルだ。森の横断あり、海岸の歩行あり、川の渡渉ありと、何もが揃いすぎているのではないかと思うほど、自然好きの心をそそりたてる。普通に歩けば1週間近くかかるが、それだけの価値のあるバックパッカーの聖地なのだ。こんな場所、世界でもめったにない。

「これらは、カナダに西海岸の話。東海岸なら、ニュー・ファンドランドにノバスコシア、ハリファクスもいいね。ここにもきれいな島や半島があって、非常にお勧めだよ。ツーリストは多いけど、いやホント、とっても美しいんだよ!」

こんなことをいわれると、西海岸と東海岸、どっちに行けばいいのか、わからなくなる。さて、本当のダニエルのお勧めは、どちらなんだろう。

「それなら僕の一番のお勧めは、東海岸。ニュー・ファンドランドあたり。とにかくきれいなんだから! ……といいながら、実は……。僕も、まだ行ったことがなかったりして。行ったことがないのに、お勧めしたりして、恐縮ですね(笑)。でも本当に、僕自身が行ってみたくてしかたないところなんだよ!」

彼がライブ・ツアーをしていない時あたりを狙って、カナダ東部の島に渡れば、もしかしたらオフ中のダニエルに出会えるかもしれないですね。

ダニエル・パウターの
デビューアルバムと、
最近話題のピアノもの

Jamie Cullum
「Catching Tales」(Universal)
ジャズ・ピアニスト/シンガーの彼も、映画「ブリジット・ジョーンズの日記」の主題歌が大ヒット。ロックやヒップホップの味も取り入れ、極上のポップに。

Jack’s Mannequin
「Everything In Transit」(Warner)
カリフォルニア発のジャックス・マネキン。全編にわたるピアノがやはり特徴だが、ここではロックを彩るための効果的な道具。ピアノの可能性はいろいろだ。

Daniel Powter
「Daniel Powter」(Warner)
日本では3月に発売された彼のデビューアルバム。透明感のあるピアノとハスキーなボーカルが絶妙なハーモニーを見せ、全世界的に大ヒット。新人とは思えない。

Bent Fabric
「Jukebox」(Universal)
デンマークのなんと81歳のピアニストが、7人の若いボーカルと作り上げたアルバム。非常にノリがよく、ポップすぎるほど。現在、CDショップでバカ売れ中だ。