コラム

Adventures of the Hokkaido Bush Pig

By The Hokkaido Bush Pig

A Spooky Feeling

2006
Issue 9

森にオバケが棲んでいるって信じてる? 信じない君もこれを読むと気持ちが変わるかも……。いや、そりゃないか。

2年前の夏、札幌から車で2~3時間のところにある夕張岳に日帰りハイキングに行ったんだ。いい天気だったけど、蒸し暑い日で平日だったから、ほかには誰もいなかった。だから登山道は、僕だけの貸しきり状態。いや、僕はそう思っていたんだ。

夕張岳は特別な山で、戦前から石炭が掘り出されていた。地下に延びる複雑なトンネルのなかでは、事故で多くの人が亡くなったと聞いている。地元の人は本気で成仏できない魂がまだ山に漂っていると信じているんだ。

僕は頂上まであと2時間というところで、食事休憩を取った。そう遠くないところから、誰かの声が聞こえたので、彼等が僕のところまで追いつくのを待つことにした。しかし、待てど暮らせど、彼らの姿は見えない。結局1時間近く僕はそこにいたんだが、誰も来なかった。不思議なのは、声が依然として聞こえてくることだった。

何かあって、立ち往生しているに違いないと思い、来た道をもどってみた。でも1kmほどもどったけど、足跡は僕のものだけだった。そこで、気のせいだったと思い直し、頂上を目指すことにした。

あー、バッカみたい、と一人でブツブツいいながら出発する。しかし、再び女性と子供が笑う声が聞こえてきた。声は岩の陰から聞こえてくるようだ。急いで走って岩の裏を見てみる、でも、誰もいない。

突然、また、笑い声が別の岩のほうから聞こえてくる。でも、岩は人が隠れるほど大きくなかったし、他の場所に移動するのは、僕から見えないなんてことはありえない。だんだん僕は気味悪くなって、「こんな所にもういられないよ!」と思った。

ここで、お話はオシマイ、って思うでしょ? でも、実はそうじゃないんだ。1ヶ月後、札幌で偶然ある友達に出くわした。今年の夏はどう過ごしたかなど、お互い近況報告しあった。そして僕が夕張岳での出来事を話し始めると、彼の顔がたちまち青くなっていった。

どうしたのかと彼にたずねると、彼は友達と夕張岳で翌日に備えて、一夜キャンプしたときの事を話し始めた。眠りについてしばらくして、彼等は大きな女性の悲鳴を聞く。声は彼等のテントの周辺、そして真上からも聞こえてきた。そしてなんと一時間も続いたというのだ。

彼等は恐怖におののき、夜明けとともに登山をあきらめ退散した。僕が鳥か、動物の声じゃなかったの? というと、その悲鳴をきいて、彼は恐怖から骨の髄まで凍ったんだ。鳥や動物のわけがない、と真顔で僕をにらみつけた。

この世にオバケがいると信じようと、信じまいと、この話を聞いて何か考えない? もし、君が似たような体験をしたことがあるなら、メールか、アウトドアジャパンのフォーラム(www.outdoorjapanforums.com)に書き込んでください。まってます。