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コラム

Fitness

By Hikaru Bruntland

Prana, Don’t Leave Home Without It

2006
Issue 12

コンクリート・ジャングル‘東京’から遠くはなれた、宝石のような島々が浮かぶタイのコサムイから本島までの90分のボートに、わたしは乗船しようとしていた。シーカヤックをしたり、初めてのスノーケリングで息を呑むような、魚の戯れる姿を見たりして素晴らしい体験をした。もう出発の時間だったか、天候があまりよくなかった。

ボートの定員は30人、波しぶきが船内まで入り込み、天井まで濡らしていた。突然冷たい突風が船首から吹きあげ、震えた。気分が悪くなり、うなだれて床をみつめながら、大海原大きさを感じていた。体がこわばりそうになっていたとき、誰かが、「ちゃんと呼吸してる?」と小さな声でいうのが聞こえた。

この声のおかげで、意識して呼吸することを思い出し、鼻から息を吸い、お腹、胸まで空気を入れ、また同じリズムで吐きだした。この「フル・ヨギック・ブリージング」と呼ばれる息をゆっくり、深く吸う呼吸は体の緊張をほぐす。

次第に、手と足に感覚が戻ってきた。気分もよくなってきて、「船に揺られるのもそんなに悪くない」と、思えるほどになった。

でも、この状態は長くは続かなかった、また気分が悪くなった。呼吸が酸素を運び、身体にプラナ(生命力)が宿る。ずっとこの繰り返しでなんとか乗り切った。これはどこでも持ち運びができる「奇跡の薬」、船の揺れがひどくなった時にはトライすることをおすすめする。