コラム

Adventures of the Hokkaido Bush Pig

By The Hokkaido Bush Pig

The Pig and Mr. Takemoto

2007
Issue 14

札幌近郊の山々にハイキングに行きはじめた、北海道に住み始めた頃。誰も住んでいない、大きな小屋の脇を歩いた。

数年後の冬、その小屋の煙突から煙が出ているのを初めて見て、誰かなかにいるか確かめるために立ち寄った。鍵がかかっていなかったのでドアを開けると、湿った匂いのする、薪が積み上げられていた。そこは暗く、寒々としている廊下だった。なかに足を踏み入れると、また次のドアがあり、下駄箱へとつながっている。大きなログウッドが踏み台としておいてあった。

靴を脱ごうとしたとき、扉が開き、背の低い年配の日本人男性が近寄ってきた。その時の彼の驚いた顔といったら。

彼の名前は武本さん。髭面で、サングラスをかけ、完全冬装備のニュージーランド人を見たとき、彼は腰が抜けるほど驚いていた。しかし、そのショックから立ち直ると、快く中に招いてくれた。部屋に入ると、僕は一目でこの場所が気に入ってしまった。やかんと鍋のかかった大きな鉄製暖炉が、部屋を優しく暖めていた。

コーヒーカップを片手に周りを観察すると、長いテーブルとベンチが壁沿いに置かれている。そこにある本や雑誌は僕が生まれる以前のものまであった。水道ある台所もあり、料理には困らない。他に二段ベッドが置かれ、20人は泊れる4つの部屋に続く、階段があるのも発見。

階下におりて、お粗末な日本語で僕は武本さんと話をし、安い料金で小屋に泊めてもらうことを交渉した。この小屋のいいところは、様々なアウトドアギアを持ってくる必要がないこと。必要なのは、食料と飲み物、調理用のキャンピングガスのみ。

この小屋に人を案内するときのハイライトは、なんといっても食事。ハイキングの前に、市場に行って、それぞれが好きな魚を選ぶ。重たいアウトドアギアを運ぶ必要性がないのだから、インスタントやフリーズドライの食料をもっていくことはない。近ごろは皆、ファストフードや軽いフリーズドライを好むよね? 少々の重いものを担げる本当の男と女は最近どこに行っちゃったのだろう。深い雪の中を4時間歩いたあとの暖かい飲み物、おいしい料理は本当に格別だよ。

ところで、小屋では予期しないことがいつも起こる。貸し切りにして、友達とオイルランプの緩やかな火に照らされ、ワインを飲んだこともある。地元の人と宴会をしたこともある。武本さんに自家製果実酒をいただいたことも何度かある。

小屋は冬にスキーもできる、300mの斜面に建っている。スキーやスノーボードをしなくても、楽しめることまちがいない。

武本さんはここで仕事と生活をして18年以上が経ち、周辺にとても詳しい。ハイキングコース、日の出や、夕日をどこで見るのが一番いいかなどアドバイスをいつも惜しみなくくれる。武本さんに是非合いたいという人は、僕にメールを送ってください。もっといいのは、僕に君を案内させてよ! ブッシュピッグへのメールは、hokkaido@japan-adventures.comへ。