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コラム

Stay!

By Toshio Watanabe

Azekura Sanso

2007
Issue 16

ヨーロッパの田舎のリゾート。
長野県の北西部にある白馬村は、冬季オリンピックの開催で世界中の人々に知られるようになった。冬はパウダースノーに魅せられやスキーヤーでにぎわうが、美しい四季の自然のなかに、いくつものハイキングコースや温泉があることでも知られている。

渡辺俊夫さんが経営する「あぜくら山荘」は、JR大糸線・白馬駅から少し離れた森のなかに建つ。正倉院で知られる「あぜくら造り」は、建材を横に組んだ建築様式のことだが、この山荘も名前の通り●●材を使って建てたログハウスだ。 渡辺さんが初めてログハウスと出合ったのは、学生時代に旅したフィンランド。

「木の家のもつぬくもりと、くつろぎ感が素晴らしい!」と感動したという。その後、数ヶ月ずつ何年もかけてヨーロッパを旅した。そのとき強く感じたのは、“田舎の人が田舎暮らしに誇りをもって暮らしている”という事実。そして、ヨーロッパ人の“遊びも文化である”という考え方。それを実現させる“リゾート”という概念だった。当時、まだ日本ではログハウスは珍しく、リゾートという言葉すらなかった 時代だ。 

帰国後7年間働いて資金をため、1984年、かつて2年間働いたことのある白馬村で、夢を実現すべくログハウスをオープンさせた。コンセプトは“家族でくつろぐリゾート”だ。

何もしない贅沢を提案したい

創業以来、部屋にはテレビを置かず、すべての部屋が禁煙だ。休暇のときくらい、テレビを見ずにゆっくり過ごしては? という思いと、木の香りを楽しんで欲しいというのがその理由だ。 

山荘は、心地よさにこだわって、コンクリートやアルミはいっさい使わず、主な照明はすべて白熱灯を使用。地元で採れた旬の食材、それも有機・無農薬のものを利用して、シンプルだが味わいのある食事を提供している。木立に張り出したデッキには、10人が一緒に入れる大きな樽を置いて、露天風呂をつくった。

「雪を見ながら入るのは気持ちがいいですよ。とくに吹雪のときは最高(笑)」 白馬村は、四季の移ろいが際立っている。

「お客様には4つの空(四季の空)を楽しんでくださいと言っています。雪景色もきれいですが、私自身は、新しい生命の誕生の気配がする春が一番好きですね。耳を澄ましていると、芽吹きの音が聞こえてくるような気がしてくるんです。そんな自然の中に身を置いて、な~んにもしない贅沢な時間をぜひ味わってください」。

体験型のプログラムを実施

あぜくら山荘では、森の散歩やスノーシューのハイキングなど、自然を楽しむ企画を実行している。時にはお客と一緒に山菜やきのこを採りに行き、それをそのまま食卓にのせる、なんていうこともある。 

そんななか、渡辺さんが最近力を入れているのが、里山(雑木林)の整備だ。人間が恩恵を受けてきた里山が、今、手入れ不足から立ち行かなくなっているからだ。そんな環境問題を考えてもらうためにも、希望があれば、お客さんも一緒に整備を体験し、爽やかな汗をかいてもらう。

また、「4時間働いたら、3食と寝床を提供」というワーキングホリデーも実施中。これまで50人の若者たちを受け入れてきた。国籍は問わない。白馬の大自然の中で働きたい人は、ホームページ(日・英・仏・独語)をのぞいてみよう。

あぜくら山荘
住所: 〒399-9301 長野県北安曇郡白馬村和田野
Tel/Fax: (0261) 72-5238
URL: www.azekura.com
E-mail: mail@azekura.com
アクセス:

電車 - 東京→長野(長野新幹線)→白馬(白馬シャトルバス)約2時間半 新宿(特急あずさ)→松本→長野→白馬 約3時間半     

車 -  東京→関越自動車道→上信越 更埴長野IC→国道19号→県道長野大町線(31号) 約4時間  東京→中央自動車道→岡谷JTC→長野自動車道→豊科IC高瀬川右岸道路→国道148号 約4時間