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コラム

Stay!

By Mitsuko Totani

Hanafubuki - Wrap Yourself in Green

2007
Issue 17

伊豆半島は温泉、海の幸、山の幸、海水浴や森林浴など多くの魅力を備えた場所だ。その半島の東、伊豆高原駅 から徒歩5分。道路に面したのれんをくぐると、「花吹雪」の3000坪の森が広がり、そのなかに、それぞれ趣向をこらした4つの宿泊棟と7つの温泉風呂が点在している。敷地の中の小道を歩いて部屋に案内され、大きな窓を開けると外は一面の新緑だ。畳に座って木々を眺めているだけで日常が遠のき、すっかりくつろいだ気持ちになってくる。

さっそく浴衣に着替えてお風呂へ向かう。風呂はすべて「貸切」で、滞在中いつでもどこでも自由に入れる。夕食前に2つ、寝る前に1つ、次の朝2つとお風呂三昧をした。どの風呂も開放的な造りになっていて、静かに流れる湯の音とともに、風のそよぎや鳥のさえずりが聞こえてくる。

進行形の日本を再現

オーナーの市川信吾さんは、約30年前に伊豆高原の森に出会ったとき、その美しさ、懐かしさに一瞬にして魅了されたという。

「森の中に抱かれるような宿をつくり、そこで自分なりの“日本”を再現したいと思いました」と語る。時間があれば京都にでかけ、お寺に泊って朝の凡行(play)に参加したり、料理の研究をしたりしながら“日本の心”に触れてくる。そして日本の伝統を大切にしながら、“進化する日本”(modern Japanese)を演出することを目指している。 “和のサービス”は、スタッフのモダンな着物のユニフォームや籠に生けられた野の花々、小道にさりげなく置かれた灯篭や観音様、掛け軸のユニークな和の絵など随所に表れている。

「花吹雪」にいるだけで、なんだか懐かしい気持ちになってくるから不思議だ。スタッフの温かな応対も心地よく、客の70%がリピーターというのもうなずける。

森が与えてくれる幸せを共有したい

「花吹雪」では毎日朝10時に、市川さんか、息子さんが同行して、1km先の城ヶ崎海岸を案内してくれる。その1時間半ほどの散歩は、様々な草木の匂いをかいだり、タンポポ・コーヒーのブレイクタイムがあったりと楽しい。

また、月に3日、宿の一角で小唄と三味線の体験も行っている。その上、夏までには宿の隣に1200坪の黒文字(古くは歯ブラシの代用品として、現在では和菓子の楊枝として使われている木)の森をつくり、ゆくゆくは葉から油をとる作業も体験できるようにしたいという。「森の恩恵をお客様と共有したいと思っています」と語る市川さんは、

「和のサービス」のコンセプトを、アイデアと実行力で次々と形にして、お客様をもてなしている。


アクセス:

最寄り駅は伊豆急行線の伊豆高原駅。駅から徒歩10分。東京駅・新宿駅・池袋駅・大宮駅から「踊り子号」が直行している。また、新幹線などを使い、熱海駅から伊豆急行に乗換えができる。

 

花吹雪
413-0232 静岡県伊東市八幡野磯道1041
Tel: (0557) 54-1550
E-mail: info@hanafubuki.co.jp
Web: www.hanafubuki.co.jp