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コラム

Outdoor Yoga

By Travis Johnson, Ph.D.

Stretching…The Truth

2007
Issue 17

小学校の体育のクラス以来、「運動の前には、いつもストレッチをするように」と教えられてきた。これは原則的に間違ってはいないアドバイスではあるものの、あなたが行ってきたストレッチの方法は、思い込まされていた程、効果的なものではないかもしれない。 

ほとんどの人にとって、ストレッチングとは、筋肉を引き延ばし、そのポジションを30~60秒間維持することを意味するだろう。このタイプのストレッチは“スタティック・ストレッチ”と呼ばれるものなのだが、近年の研究によると、スタティック・ストレッチは、いくらかの傷害予防となるものの、スポーツのパフォーマンスを減少させることもあるという報告がされている。

どんな運動をするのかを考えるのがポイントだ

どんな運動をする前でも、何を達成するためにストレッチをするのかを考えることが重要だ。ダイナミックで激しい運動のために、身体の準備をしたいときも多い。筋肉群は、適正に活性化されることを必要とする。それによって、筋肉はコントロールされ、すばやく、力強い収縮と弛緩を繰り返し、身体を曲げる、捻る、推進するといった要求に見合う運動が可能となる。 

これらすべての動きは、神経によって編成されているため、神経が筋肉とより良くコミュニケーションをとれるようにしておくことも重要だ。ただ単純に、筋肉を数分間引っ張るだけでは、ダイナミックな動きに対して身体を準備することにはならない。 

更に、スタティック・ストレッチは、神経を沈静化させる効果を持ち、眠気を生じさせ、反応時間を低下させる。これがサーフボードやマウンテンバイクに飛び乗る前に適した状態でないのは明確であろう。

ストレッチする時間が重要だ

ストレッチは、これから行う運動のための身体の準備となるように行われるべきである。足首、膝、股関節、脊柱、肩、肘、手首、首といった主要な関節の、ローテーションや関節運動から始める。ゆっくりと優しい動きから始め、関節がより自由に動くようになったところで、徐々に力、関節の可動域を増加していく。ここで目指しているのは、関節の可動域を、筋肉を正常な長さにしていくこと。動きを生み出すために、筋肉は機能的で理想的な長さを持ち、いくつかの筋肉が、グループとしてともに働く。関節の可動域がアクティブに動くことで、神経が筋肉群の筋長を適正に整えることを助けるのである。

試合前のスタティック。ストレッチによる、もうひとつの落とし穴として、筋肉群のうちの1~2個の筋肉のみを集中ストレッチしてしまうことがあげられる。その結果として、それらの筋肉が、他の筋肉群と比較して、伸ばされ過ぎになってしまう。これは結果的に、この筋肉群が効率よく動くのを阻害し、パフォーマンスを抑制することになる。 

約5~10分程度のストレッチの後、関節周囲の自然な動きが確立されたら、これから行うスポーツの動きをまねた、軽いムーブメントパターンを行うべきである。まずは軽く動き始めて、徐々にそのスポーツで必要な程度のレベルに向けて強度を高めていく。例えば、サーフィングの場合、スクワット、胴体の捻り、そしてボードから立ち上がる動きまでも含まれる。 

ランニングやサイクリングは、まず、最初の5~10分間程度は低強度から始め、徐々に目指すレベルまで強度を増加する。そのスポーツに実際に必要とされる可動範囲を超えて、動こうとすることは避けるべきである。筋肉はしっかりとストレッチされて、ゆるんだ状態であるべきだ。というのは、身体を安定させるためには、筋肉によっては短く、タイトな状態である必要な個所もあるのだから。 

スタティック・ストレッチは重要だが、運動の後に行ってこそ、その有効性が最も生かされるものである。頻繁に収縮された筋肉群に、適切なスタティック・ストレッチを行うことにより、慢性的に短縮するのを防ぎ、蓄積された乳酸の放出を促すことにより、筋肉痛を減少する助けともなる。

もっとストレッチについて知りたい方はトラヴィス・ジョンソン氏まで、メールにてお問い合わせください:info@somatic-systems.com.