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コラム

By Troll

Life Is a Box of Colors

2007
Issue 18

いつの日からか何かの名前、つまり固有名詞を、そのものに書かれている文字を読んで覚えた。目から単語がインプットされていくのだ。そのなかでも、 わかりやすいのが色鉛筆。24色ぐらい入っている色鉛筆のケースには、それぞれ色の名前が印字されている。英語の色は植物の名前が入っているものが多いよ うに思ったが、日本語は四季を感じる名が多かったと記憶している。

色鉛筆には、「やまぶきいろ」、「ぐんじょういろ」、「ふかみ どり」、「おうどいろ」、「だいだいいろ」などと書かれていたが、しかし街中ではそんな色などお目にかかることはあまりなかったのも現実だ。漢字にすると 一目瞭然なのだが、漢字も知らない小学生の頃は、そんな色鉛筆のたくさんの色は、おとぎ話の中のことのようだった。そんなこともあって、中学生の時に憧れ の先輩にタオルをプレゼントしようとして手紙には「ぐんじょういろのタオルを……」と書いたことがある。でも、その手紙を覗いて見た友人が笑い出した。
 「ぐんじょう色? それってどんな色? こんな古くさいのより『ブルー』の方がいいよ」。

ウチは「ブルー」に書き直して手紙を渡したのだが、それがひっかかり「つまり色鉛筆の世界って通常使われることのないものだ」と、おときの国の色世界を気持ちのどこかに封印していた。
でも、その封を解いてくれたのが自然界だった。新緑の美しい春。山に行ったとき、色鉛筆の「ふかみどり」に近い葉を見つけた。そこで楽しむものに「ふかみ どりだ」といって誰も拒む者はいないのだ。旅を通して、自然の中で多くの色に出会った。特に海の色は豊富だ。「ぐんじょういろ」の海をみた。色鉛筆という おとぎの世界は、自然界の色と出逢うことによって、「ぐんじょういろ」にいのちを吹き込み、鮮やかに活きる。

また、「ぐんじょう いろ」の世界をみてみたいと思う。「白」も色々な白があることを、雪山へ行って知った。透き通るような白、灰色がかった白、生クリームのような白などであ る。小さい頃は静岡に住んでいて、彼方に見える白い富士山は粉砂糖がまぶしてあるようで「おいしそうだから食べてみたいな」と思った。どおりでウチは今、 純白の粉雪を食べることが大好きなのである。