コラム

Trail Recipes

By Akira Suzuki

Hang Tender

2007
Issue 19

塊肉
オリーブオイル
ブラックペッパー
ニンニク
ローズマリーほか好みのハーブ類

これまではトレッキングやバックパッキングの最中に食べるレーションや、それに近い料理を紹介してきたが、今回はちょっと趣向を変えて盛大に塊肉を焼こうと思う。滴る脂、立ち上る煙、アツアツの肉をスライスしてほおばる。焚き火を囲んだ野外のパーティにはピッタリだ。

金網(鉄板に比べたらはるかに軽量)を1枚持って石で炉を組み、網焼きステーキにするというのも悪くない方法だが、いつも手頃な石があるとは限らない。
そこでオススメしたいのがチェーンで吊り下げて焼くという方法だ。チェーンはS字フックと組み合わせることで長さの調整が簡単に出来る優秀な道具だ。炭や焚き火での調理の場合、熱源を足したり減らしたりすることで火力調整を行なうよりも、熱源からの距離を近づけたり離したりすることで行なった方がはるかに簡単で効率的で、しかも微妙な火力調整が可能になる。

が、古い日本家屋の囲炉裏に掛かっている自在鉤もこのための道具であることを思えば納得もできるだろう。肉を焼くだけでなく、鍋やヤカンを吊して調理する際にもこの方法は非常に有効だ。

熾き火に吊して焼いた塊肉は、最後の一片になるまで吊して焼く必要はない。もともと肉の半分くらいになった頃には、一見生肉のようでも、ローストビーフのようにしっかり中心まで熱が通っている。僕はいつも冷ましてから切り分け、翌日のサンドイッチの材料にしている。(鈴木アキラ)