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コラム

Travelers Tune

By Gardner Robinson

A Birds Eye View in Myoko

2008
Issue 20

ノルディックやアルペンスキーに興じていないとき「The Hawk and Hare Inn」オーナー、マイケル・ペリンの趣味は空高く舞い上がるものとなる。彼はオフシーズンはパラグライダーをしたりもするが、もうひとつの趣味は妙高の 自然の美しさを空から楽しむスポーツ=鷹狩りだ。彼が運営する宿の宿泊客は、古代から続くスポーツを体験できるという。

「日本でも、西洋でも、鷹匠のほとんどが狩をする」と、マイケルは言う。とくに近年、銃や弓によるハンティングよりも、よりエコロジカルだという理由で鷹狩が好まれているという。マイケル自身は狩よりも、この恐ろしくも美しく、賢い生物に魅せられているそうだ。
彼は始め、英国で大型猛禽類の扱いを覚え、やがて米国に戻りハヤブサを扱うようになった。大型猛禽類はハヤブサよりも調教が簡単だ。だが、「ハヤブサの飛ぶ姿は、費やした時間や苦労吹き飛ぶほど素晴らしい価値がある」という。 

鷹狩りの歴史は数千年前、中央アジアに始まった。しかし、島国という立地の日本では紀元300年代半ば、仁徳天皇の時代になってようやく記述がみられるようになる。その後、鷹狩りは皇室で昭和の時代まで続けられていた。

現在、日本国内に鷹狩りを教える場は少なく、鷹狩りをする人々はおもに東京や大阪などの在住者となっている。彼らは低地に棲む、キジやカモ狩りなどをしている。

マ イケルは日本では免許制度などが存在しないため、まったくの初心者がインターネットなどで高額な鷹を購入し、調教しきれずに逃げられてしまっていることを 嘆く。また日本では、鷹の売買は外国産ものに限られている。そのため、逃げた外国産の鷹が繁殖、環境に影響を与えていることも悩ましい。そう話す。

米国で鷹狩りをするとなると厳しい規制があり、鷹狩り初心者が鷹(絶滅危惧種に指定されていない種類に限られる)を空に放つには、実習生レベルとなる 「Apprentice level」の鷹使いとともにトレーニングする必要がある。また、鷹匠の資格「General Falconer」の認定を得ると、より広範囲な種類の鷹を飛ばすことができるようになり、最上位の「Master Falconer」は、より多い数と種類の鷹を所有することができる。国でも、多くの鷹匠団体が米国のシステムと同様のものをとりいれようと検討してい る。近い将来、日本でも同じような動きがあるといいのだが。

他の芸術家の多くがそうであるように、鷹使いたちも完成品よりも、そこにいたるまでのプロセスに意味や喜びを求める。初めての鷹と出会いから、調教、熟練へ。人と鷹がお互いを学んでいくプロセスがある。お互いが信頼しあい、ともに技術を向上しあうことで絆が深まるのだ。
 「鷹の力、技術、敏捷性、そして狩りの能力に直に触れるのは、とても素晴らしい体験だ」
だが、マイケルは指摘する。
 「鷹狩は忍耐強さが必要なスポーツだ」と。