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コラム

By Matt Lindsay

Book review: 88 Reasons to Visit Shikoku

2008
Issue 20

日本列島のおもな島のなかで、最も小さい四国。観光でとくに注目されているという場所ではないが、夏の徳島の阿波踊り、松山の道後温泉(日本最古の温泉ともいわれている)は、よく知られている。88カ所巡りで四国を訪ねるのもいい。
英語のガイドブック『Shikoku Japan 88 Route Guide』で紹介されている88カ所巡りとは、四国にある仏教寺院88つを巡礼する旅のことである。白装束を纏った巡礼者(お遍路さんと呼ばれる)は、弘法大師・空海が巡礼したとされる寺院を訪ね歩く。

番外寺院を含めて、全行程1400kmを歩くために普段の暮らしを中断する熱心な巡礼者もいれば、限られた時間にあわせて、公共交通機関を利用しながら個人で巡る人、団体ツアーに参加する人など様々だ。
近年巡礼者の数が、外国人を含み増加している。そこで、海外から巡礼に訪れる人に便利なのが、先の『Shikoku Japan 88 Route Guide』だ。ガイドには地図も付いている(注文はwww.shikokuhenrotrail.comで)。四国観光協会が、“YOKOSO! Welcome to Japan”キャンペーンとともに、この本の出版に協力している。
ガイドには、日本語のガイドブック『四国遍路一人歩き』の地図を中心に編集されている。地図には、各寺院の歴史や周辺の観光スポット等、詳しい情報が英語で記載されている。

ルート紹介に加えて、初心者向けに様々なお遍路さん情報が詰まっている。寺院でのエチケットや用語集など、知らずに恥かくことなく、お遍路さんになるための情報が盛り沢山だ。
ガイドブックの編集・翻訳をしたのは、1988年に初来日したデイヴィッド C.
モールトン氏。彼が四国巡礼に興味を持ったのは、交換留学生として立命館大学在学中に弘法大師を知ったのがきっかけだった。

四国巡礼を研究する外国人学生がいないことを知り、博士論文で『An Examination of Charitable Giving Along the Shikoku Pilgrimage Route』を書いた。

デイヴィッドによると、四国巡礼の素晴らしい点は、決まったルールがないこと。巡礼者は、仏教徒や信仰の厚い者でなくてもいい。白装束を着る必要もない(着ていればお遍路さんとして迎えてもらえるが……)。ただし、巡礼をするならば、歴史や仏教文化を学び、それらを尊重するべきであると彼は言う。
2001年に徳島に移住後、デイヴィッドは外国から来た巡礼者の多くが英語での情報を必要としていることを知り、より多くの人に巡礼を知ってもらい、参加してもらうために『Shikoku Japan 88 Route Guide』をつくった。
彼のガイドブックは、一番札所の霊山寺で入手できる。紀伊国屋、八重洲ブックセンター、アマゾンでの販売も、まもなく始まる。もちろん武揚堂のサイトでも購入できる。