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コラム

Japan Angler

By Abdel Ibrahim

The Sea Dragons of Ise Bay

2008
Issue 21

丸一日、寝ていない。気温が低いなか、船酔い。スポーツフィッシングの、つらいところばかりが目立つトリップ。だが、その価値はあった。クーラーは、上物の、大物リボンフィッシュがギュウギュウ詰めだ。捕れ過ぎで、宅急便で送らなくちゃいけないほどの収穫だ。

僕の所属するフィッシングクラブのメンバーにとって、これは毎年恒例のちょっと大変な釣行。リボンフィッシュは、一年中といっていいほど、東京湾や駿河湾で取れる魚なのに、準備して、わざわざ出かけるのだ。

都内から、三重まで6時間もかけていくには、ふたつの理由がある。ひとつは、伊勢湾には冬に脂の乗った魚が1日中釣れる。ふたつ目の理由は、釣りあがる獲物がでかい。だから「シードラゴン」とも呼ばれほどだ。

リボンフィッシュは、太刀魚と呼ばれていて、関東では朝食、鮭といえば鮭の切り身だが、関西では太刀魚だ。フロリダにいた時は、太刀魚はよこしま鰆や、かます鰆を釣る餌に使われていたが、日本に来て食べてもおいしい魚だということをはじめて知った。

鯖を餌にするのが通常だが、僕はこの獲物に軽いジグを使うことにした。ジギングは細く編んだライン、重い鉄の固まりのついた竿の放物線の動きを使った、と ても人気があるルアーフィッシングだ。この方法では釣る側に完璧なコントロールがあり、魚の当たりがより感じられ、釣りがめちゃくちゃ面白いのだ。

リボンフィッシュがルアーに食いつくと、釣竿の先に鉄アレーがさがっているように感じるから不思議だ。見かけは長くて細い魚で弱そうなのに、いったん釣り 針にかかると、オリンピック級の綱引きのように引いてくる。経験を積んだアングラーでさえ、ジグが底に引っかかったと思ってしまうが、海の中では太刀魚が 必死に抵抗しているのだ。

僕も、数回やられた事がある。フロロカーボンのリーダーは剃刀のようにするどい歯で切られ、ジグをなくすのは、リボンフィッシュ釣りには よくあることだ。今日の収穫は文句なしだし、僕の3000円のジグが次の氷河期に発見されるのを、海の底で待っていても気にならないほどだ。
このトリップはまったく驚きの連続だった。でもまた誘われたら迷わず行くこと間違いない。

Essential Info

伊勢湾で釣りをしたいなら、僕らが案内をお願いした宮本船長率いる「ファイヤー・ドルフィン」(www.fire-dolphin.com)をおすすめする。予約したほうがいい。基礎的な太刀魚のジギングの情報はジャパンアングラーのWeb(www.japanangler.com 英語のみ)へ。