コラム
Living Style
By Jonathan NachtMoving On Up
洗練された都会と、大いなる自然。どちらも魅力的だ。日本に暮らす人には、自然の中で暮らすことを夢見る人が多いようだが、果たして都会の利便性を捨てて、キツネの棲むような場所やスキー場の近くに引っ越すことができるだろうか? それを実行した家族がいる。
8年前、北海道を訪れたクリストファー・ペックと妻の千草は、パウダースノー求めてニセコに足を運ぶようになった。2006年12月には3週間をニセコで 過ごし、この地に引っ越すことを決意した。東京では娘カイリーの呼吸に不安があったが、ニセコ滞在中に改善されたことも大きな理由だった。
ニセコは今、“極東のウィスラー”と呼ばれ、世界的なウィンターリゾートとなりつつある。ウィンターシーズンを通して平均15mのパウダースノーが約束され、多くの人が訪れる。夏も幅広いスポーツが楽しめる、魅力な土地だ。
この10年間、海外資本による開発でニセコは随分と変わった。ペックス一家は、この一帯で開発があまり進んでいないアンヌプリを選んだ。
2006年、土地を開発・販売する「Annupuri Village」を起業した目下の目標は、スキー場に近い場所でありながら、独立した暮らしやすい家を提供することだ。
シアトルに拠点を置き、日本にも支店を持つリンダルホームズで、周囲の自然に溶け込む自宅を設計・建設した。暑さと、寒さを防ぐ二重ガラスの大きな窓、雪がたまりにくい高い屋根が特徴だ。
だが、都会から離れて寂しくないのだろうか? たまには、寂しく感じることもあるらしい。しかし、「冬になると、ほとんどの友人が遊びにきてくれる」そうだ。
カイリーとともに引っ越してきた一家を、地元の人たちが支えた。欲しいものはインターネットで購入する。時には札幌の街で遊ぶこともある。街までは、車で2時間だ。
ニセコは、ペックス一家にとって素晴らしいホームタウンとなった。
「カボチャ農家のビニールハウスづくりを手伝って、観光客向けのハロウィーンパーティを企画する」という彼ら。 子供を育てる最高の環境、子供たちも今の暮らしを次世代に伝えてくれるようになってほしい。そして、もっと多くの人と、この地の素晴らしさを共有したいと 言う。
WEB CONNECTION
Annupuri Village (www.annupurivillage.com)
Lindal Homes (www.lindaljapan.com)