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コラム

Adventures of the Hokkaido Bush Pig

By The Hokkaido Bush Pig

The Adventures of the Hokkaido Bush Pig

2008
Issue 22

いつものように、北海道のとある山にハイキングに出掛けると、見知らぬハイカーとすれ違った。すると彼に、「山小屋で誰かが、君を待ってるよ」と声をかけ られた。 一緒にいた友人たちも僕と同様、不思議に思ったが、そのときは「OK」とだけ答えておいた。目指していた山小屋は、今までも何回も行った事があ る。それに、誰ともそこで落ち合う予定はなかった。ハイキングシーズンももう終わり。山小屋を使う人はいたとしても、多くないはずだと思っていた。

一時間ほどすると、山小屋に到着した。小屋は、大きな木造2階建。それぞれの階はオープンスペースになっていて、暖炉がある。雨に濡れ、泥だらけの格好で 戸を開けると、大勢の視線があった。そこにいたのは40ニンほどだろうか? あたりは、静まり返った。 図体の大きな、髭面のニュージーランド人。それ と、小柄で、可愛いらしいイギリス人女性のコンビが、ずぶ濡れで、泥だらけで立っているのだ。驚かれてもしょうがない。僕は、どうしたものかと黙っていた が、仕方なく「こんにちは」と話しかけたら、彼らもまっていたように「こんにちは」と返事をしてくれ、場所を開けて歓迎してくれた。

話を聞けば、山小屋や山道の管理をボランティアで行っている人たちの納会をやっているとのことだった。夏が無事に終わったことを祝い、冬支度をしていたらしい。

僕等は運がよかった。というのも、彼らは重いビール、ワイン、日本酒などを背負ってきたらしく、たくさんのアルコールが用意されたいた。僕等もビールやワ インをもってきていたが、それを取り出したのは寝袋を出したとき。彼らは、地元の美味しい食べ物を振舞ってくれた。ある年配の男性は、自分が近くの川で釣 り上げた魚を、その場で調理しだしてくれた。本当にうまかった。

皆で盛り上がっていたら、南米の衣装を着た3人(2人はギターを持ち、1人は南米のパンという笛をもって)で現れ、演奏をはじめた。踊ったり、歌ったりするひとも出てきた。この3人は若い頃、南米中の山を歩いたそうだ。ほんとうに愉快な夜だ。

翌日僕らは、頂上を目指すために早く起き、眠っている人を起こさないようにしながら小屋を出発した。ハイキングを終え山小屋に戻ると、すでに誰もいなかっ た。昨夜はたくさんの人がいて、あんなに賑やかだったのに……。今夜は静まり返って、気味が悪いほどだ。でも、ワインを何杯か飲むと、あの夜の南米音楽が 聞こえてくるようだった。